英語ができると、やっぱり就職に有利なの？
なんとなく英語ができると高収入になりそう、というイメージをもっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、英語を使う高収入な仕事について、英語力と収入の関連についても含めて解説しています。
女性にもおすすめの職種を紹介しているので、英語を使う仕事が気になる方は確認してみてください。
目次
Career Study
英語力で2.2倍の差！高年収を狙うなら語学が大事
ヒューマンホールディングスが行った調査によると、女性において「英語レベルビジネス会話以上」をもっている人の平均年収は比較的高い傾向にあるとのことです。
特に40代・50代では、国税庁による同年代の調査結果と比較して、約2.2倍の年収差が開くことが分かりました。
参考：ヒューマングローバルタレント株式会社「英語力が年収・キャリアに与える影響 2022年」
参考：国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
英語を使う仕事とは？高収入になるケースも含めて解説
まずは、そもそも英語を使う仕事とはどのようなものがあるのかを確認していきましょう。
また、それぞれ高収入にどうつながるのかもあわせて解説していきます。
ユーザーや顧客が英語圏・多国籍の場合
提供しているサービスに英語圏の利用者がいたり、英語圏以外でも母国語が日本語ではない海外ユーザーがいる場合、仕事において英語力が求められることがあります。
主にBtoCのビジネスで、近年のインバウンド需要によって国内の様々なサービス業で求められるケースも増えています。
ここで言っているのは、客室乗務員、サービスカウンターでの案内員、一部の販売員などのことです。
求められる英語力はまちまちですが、基本的には日常英会話レベルを使えると便利です。
「英語で質問する人が現れたら、チームの誰からも頼られる英語の専門家」というポジションになると、給与も上がっていきますよ！
海外とBtoB取引を行う場合
さらに英語力が求められるのが、自社とクライアントの企業間取引が、主に英語で行われる場合です。
海外企業を相手にする場合、必然的に英語が求められます。
この場合は、主にいわゆる「ビジネス英語」での会話が想定されます。
このケースで英語を使う場合、その職種は一般的なBtoB業務と同様に、総務や人事、営業など多岐にわたります。
海外取引が事業の中心だったり、海外に自社製品の販路をもっていたり、もしくは日本国内で提供している商品の材料仕入れを行ったり、海外と取引するケースは様々です。
特にグローバルマーケットを強く意識していたり、社内メンバーのうち海外人材が多かったりするような場合、社内公用語を英語にしていることもあります。
外資系企業の場合
日本に存在する企業ではあるものの、本社が外資企業であるため、本社とのやりとりなどで英語を日常的に使うというケースもあります。
例えば、外資系コンサル、外資銀行をはじめ、本社が外国籍である日本法人などです。
高度な英語スキルを求められるケースが多く、ビジネス英語の中でも高いレベルが必要となります。
さらにそのうえで、自身の職種や分野にまつわる「業務的な高い専門性」も求められます。
業務上の専門性と、それを説明できるだけの高いビジネス英語力・専門分野に関する英語力が必要不可欠なのです。
また英語力・専門スキル共に高度なレベルが求められる外資系企業では、特に外資コンサルの場合年収が平均年収よりも高い、いわゆるハイレベルなケースもも多い傾向にあります。
英語を使う業務の場合
最後に紹介するのは、もっとも高い英語力が必要なケース。
通訳や翻訳など、「英語のプロフェッショナル」として英語を仕事に使うケースです。
英和や和英といった仕事は、「英語＋日本語（英語ではない母国語）」を職能としてもっていることを意味します。
例えば、日本人は日本語のネイティブスピーカーですが、誰もが日本語検定を受けて上位の成績を取れるわけではありません。
同様に、英語圏のネイティブスピーカーでも誰もが英語の試験で好成績を残せるわけではないのです。
日本人のなかでも日本語に特に詳しく、そのうえで英語圏のネイティブスピーカーよりもさらに深く英語の知識が必要となります。
英語圏の人よりも、学術的・用法的に英語に詳しい人が就く仕事であるというイメージです。
「この業界の翻訳なら、この人！」というように、独自の地位を築ければ男性でも女性でも、性別問わず高収入を目指すことはできるでしょう。
それに、そもそも就く人の数が少ないので需要に対して供給量が少なく、ほかの職種と比べて大手企業にも就職しやすい傾向があるようです。
Career Study
英語を仕事で使うメリット3つ
- グローバルマーケットで活躍できるため将来性がある・高年収も狙える
- 女性が活躍しやすい環境で働ける可能性が高まる
- 昇進・昇給の条件に英語力が含まれている場合もある
ここでは、上記で挙げた3つの英語を仕事で使うメリットについて解説していきます。
1.グローバルマーケットで活躍できるため将来性がある・高年収も狙える
少子高齢化が進む日本では、慢性的な人手不足や需要に対する供給の不足、そして内需そのものの低迷が問題視されています。
一方でグローバルマーケットを対象にしている事業は、対象は「世界」であるため対象者が多く、まだまだ成長の可能性があるでしょう。
ますます国内の需要低迷と世界的な需要拡大の差は広がっていくと考えられており、少なくとも個人の力ではこの流れを止めることはできません。
英語を使って仕事をするということは、国内だけでなくグローバルに働ける可能性があるということ。
現状の英語力による収入差だけではなく、今後発生する国内と世界の収入格差を考え合わせると、中長期的にも年収に大きな差が開く可能性がますます高まっているのです。
2.女性が活躍しやすい環境で働ける可能性が高まる
残念ながら日本では、職業における男女格差が特に低いことが知られています。
男女の格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4つの分野のデータをもとに可視化するジェンダーギャップ指数を世界経済フォーラムが発表していますが、それによれば2023年における日本のジェンダーギャップは146か国のなかで116位と、かなり格差が大きいことが分かります。
これは先進各国のなかでは最低レベルで、アジアのなかでも中国や韓国よりも男女格差が大きい順位です。
逆の見方をするなら、日本企業以上に海外企業は男女平等が求められているともいえます。
そのため、英語を使う仕事は女性にもおすすめできるといえるでしょう。
海外企業では、日本企業よりもはるかに女性に昇進や昇給のチャンスがあり、性別が理由で断られることは少ないのです。
管理職や上位職者にもなるチャンスがあり、またライフイベントとの両立も会社側に義務付けられていることがほとんど。
英語を使って海外企業で働くことは、そのまま昇進や昇給のチャンスが多いことにつながり、最終的に高収入にもつながっていくのです。
参考：内閣府 男女平等参画局「世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表」
3.昇進・昇給の条件に英語力が含まれている場合もある
英語力が求められる企業の中には、役職が上がるにつれて、TOEICやTOEFLなどのスコアを昇進・昇給の条件に求められるようになるケースも少なくありません。
「TOEIC Program」を利用している企業・団体に向けて行われた英語活用実態を確認すると、ポジションが上がるにつれて求められるスコアが高いことが分かります。
「部長」以下のポジションよりも「役員」のポジションのほうが800点以上を求める業界の数が多く、高位役職者になるほど英語力が求められる傾向があるようです。
高収入を目指すには、少なくとも順調に昇給していくことはほぼ必須条件です。
英語力があったほうがスムーズに昇給しやすいため、高収入を目指すなら英語力は身につけておいて損はないといえるでしょう。
参考：（一財）国際ビジネスコミュニケーション協会「 英語活用実態調査（企業・団体、ビジネスパーソン）2019 」
英語を活かせるおすすめの仕事・高年収の仕事7選
ここまで英語を使う仕事とはそもそもどんな種類があるのか、そして英語を仕事で使うメリットについて確認してきました。
ここからは、英語を活かして働くことができる高収入な仕事についてお伝えしていきます。
外資系企業の事務・営業サポート
一つめは、外資系企業における事務職や営業サポートなどが挙げられます。
基本的には、日本企業での一般的な事務職・営業サポートと仕事内容は変わりません。
ですが、その「一般的な仕事」＋「英語スキル」を駆使して働くことになるため、通常の事務職などよりも高収入になりやすい特徴があります。
外資系企業の営業やバイヤー
営業職やバイヤーは、前述した事務職などのサポート職と比べて高収入になる傾向があります。
加えて外資系企業の営業やバイヤーは、出来高制の給与体系や成功報酬が上乗せされるインセンティブなどによって、日本企業の同職種よりも高収入になりがちです。
外資系コンサルタントやアシスタント
外資系コンサルティングファームのコンサルタントはかなり高収入なことで有名です。
性別などは関係なく、単純に「成果」だけで評価されるため、日本企業内における男女の不平等感に悩んでいる方には特におすすめ。
ただし、コンサルタントの仕事はハードワークであるという噂に尻込みしてしまうかもしれません。
いきなりコンサルタントに挑戦するのが不安なら、まずはコンサルタントのアシスタントをしてみるのもおすすめです。
アシスタントといえども、平均給与が日本企業の平均収入と比べて高額である外資コンサルであれば高収入を目指せます。
実際のコンサルタントの働き方を見ながら自分自身もスキルアップし、自分に合っていると感じるなら一人立ちしてさらなる高収入のコンサルタントを目指すのが良いでしょう。
商社
商社のなかでも、特に総合商社と呼ばれる企業は高収入として知られており、学生が目指す就職先ランキングでは上位に位置する業界です。
また総合商社ほど有名ではないかもしれませんが、専門商社と呼ばれる特定の商材を扱うことに特化した商社もあります。
専門商社は、給与面は日本企業の平均と比較して高額である場合はそれほど多くありません。
ただし、確固たるポジションを築くという業態が安定しているため長く続けることができ、結果的に昇給して高収入になりやすいとも考えられます。
総合商社であれ専門商社であれ、多くの商社が海外と取引があるため、ビジネス上のやりとりで英語は活用されます。
海外出張が多い企業もあるため、「英語を使いながら働ける」だけでなく、「仕事のなかで英語を学べる」といった意味でもおすすめです。
文章の英語版への翻訳
英語力を使って働きたい方におすすめなのが、文章を英語版に翻訳する仕事です。
例えば、自社製品の取扱説明書や業務マニュアルを英語に翻訳するなどが挙げられます。
英語力・ビジネス力がともに磨かれ、社内でも替えが効かない独自の地位を築けるでしょう。
専門書や教材の翻訳
専門書や教材などの翻訳は、「英語の専門家」というよりも「翻訳家」と呼ぶべき専門職です。
「日本語」についてネイティブの日本語スピーカーよりも詳しく、かつ「英語」もネイティブの英語スピーカーよりも詳しくなければなりません。
まずは書かれている日本語を正しく正確に理解し、その要素を分解しつつ、ニュアンスまで正確に英訳しなければならないため、非常に高度なスキルが要求されます。
場合によっては、言語知識を総動員して「この日本語に該当する英語はないから、言い回しをもう少し変えなければならない」といった判断も必要です。
完全在宅勤務でもできる場合があり、独立も可能なので自分の時間を作りたい人にもおすすめの仕事です。
英語通訳
もっとも瞬間的な英語力が必要になるのが英語通訳の仕事です。
特に、相手が話したことを聞き取りながら日本語に変換する「同時通訳」は難易度が高い仕事です。
英語通訳ということは、前述した翻訳の仕事と同様に「日本語」も「英語」も、それぞれがネイティブスピーカーよりも詳しい必要があります。
しかも会話の中に含まれる微妙なニュアンスも、リアルタイムで伝えなければなりません。
「英語を使って仕事をする」ことに関して、これ以上ないほどの専門家と呼べるでしょう。
TAKASHI KAWAHARA
どのくらい英語を使いたいのかを軸に仕事を探してみよう
英語を使う仕事を探す際には、「どの程度英語を活用したいか」を基準に考えると良いでしょう。以下のように分類して、自分に合った仕事を見つけてみてください。
・日常業務の中にたまに英語が出てくる
・頻繁に英語が出てくる
・英語が基本言語で「英語を話せる」ことが当たり前
・ネイティブ以上の英語力が必要
例えば、たまにしか英語が出てこない仕事に「英語を話せる」ことが当たり前の職場に転職すると、英語力が不足して疲れてしまうかもしれません。一方で、ネイティブ以上の英語力を求められる職場で、たまにしか英語を使わないと不満が生じるでしょう。
どのような状態で働きたいかを明確にすることで、目指す仕事を見つけやすくなります。
Career Study
まとめ
英語を使う仕事の中には、高収入な仕事がいくつもあります。
また英語を使って海外の企業で働くことは、日本のジェンダーギャップに悩む女性にとってもおすすめです。
加えて、英語を使いながら仕事をしていけば、仕事をしながら英語力を鍛えることになるため、自然と語学スキルもアップしていくという大きなメリットもあります。
とはいえ、英語を使う高収入の仕事は、簡単に探せるものではありません。
もし一人で探すのが難しいと感じるなら、キャリアのプロに相談することも検討してみてください。
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TAKASHI KAWAHARA
英語力を身につけながらキャリアゴールを想定しよう
英語を使う仕事の魅力の一つは、働きながら英語力を鍛えられることです。
どの程度の英語力を使って仕事をしたいのか、また「高収入」とは具体的にいくらなのかを考えましょう。そのキャリアゴールを考えながら、「今はこの仕事で英語力を鍛える」といった段階を積み重ねていきましょう。
例えば、最終的に外資系コンサルタントになり、年収1,000万円以上を目指すなら、まずはコンサルタントのアシスタントとして経験を積むのが良いでしょう。
その前に英語力を鍛える必要があるため、海外取引のあるメーカーで海外営業を担当し、ビジネス英語力を磨くことが効果的です。
このように、ゴールを設定し、キャリアの中で英語力を身につけられるキャリアプランを築けば、目指す理想に近づけるでしょう。