この記事を読めば、しっかり留学目標を設定することができ、より意義のある留学経験につながりますよ。
目次
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留学の目的と目標の違い
「目的」と「目標」の違い
まず「目的」と「目標」の言葉の違いから確認していきます。
広辞苑によると「目的」は「成し遂げようと目指す事柄」という意味です。
つまり「最終的に実現したいもの」「最終的なゴール」ということになります。
一方「目標」は広辞苑によると「目的を達成するために設けためあて」という意味です。
これは「目的」(最終ゴール)を実現するために何を、どうするのかという指標を具体的に表したものといえます。
つまり「目的を達成するために設けた道しるべ」ということになります。
例えば「体重を5㎏減らしたい」という目的(最終ゴール)があるとします。
その目的を達成するための目標は「食事のカロリーを30%カットする」「週に3回ウォーキングする」などが挙げられるでしょう。
まとめると、以下のようになります。
- 目的:「最終的に成し遂げようとする事柄や目指すべき到達点」
- 目標:「目的を達成するための具体的な指標」
この違いを踏まえて、留学における「目的」と「目標」にはどんなものがあるのかを、次に解説します。
留学の「目的」
留学の目的とは「留学で目指す最終ゴール」と言い換えることができます。
例えば、以下のような留学の目的が考えられるでしょう。
- 語学習得
- 異文化理解
- 学術研究
- 海外企業就職
- 自己成長
このように、留学を経て、最終的に成し遂げたいと考えていることが留学の「目的」となります。
留学の「目標」
留学の目標は、留学の目的を達成するために必要な具体的な指標・計画などのことです。
例えば、留学の目標には以下のようなものが考えられます。
- 「語学習得」「異文化理解」のために毎日5人に話しかける
- 「異文化理解」のために積極的に学校の授業以外の活動に参加する
- 「学術研究」のために論文を3つ以上書く
- 「海外就職」のために就職面接を3つ以上受ける
- 「語学習得」「海外就職」のためにTOEICスコア850以上を目指す
- 「自己成長」のために留学中にボランティア活動に取り組む
このように留学の「目的」と「目標」の違いを理解した上で、しっかりと目標を立てていくことが、留学の成果を挙げるためにとても大切なのです。
留学の目標を設定することが大切な5つの理由
目標を設定することで留学経験がより意義深く、価値のあるものになります。
では、その理由を5つ解説します。
1.留学中の行動の方向性を定められる
留学中の短い時間の中で、どう過ごせば目的を達成できるかという目標を決めておくことで、現地に行った時の行動の指針になります。
目標が明確であれば、効果的な計画を立てることができ、時間を効率的に使えます。
もし、行動やプランに迷うようなときは、目標に沿って決めればよく、留学期間をより充実させることができるでしょう。
2.留学中のモチベーションを維持できる
留学先では、新しい環境に慣れる必要があったり、分からないことが多かったりして、ストレスがたまることもあるでしょう。
不安になったり、寂しくなったりすることがあっても、目標があれば乗り越えようというモチベーションにつながります。
目標なく留学してしまうと、ただ何となく毎日を過ごしたり、やる気を失ったりして、気づけば帰国していたということにもなりかねません。
目標をしっかりと持つことで自分を奮い立たせ、達成したいという意欲や情熱を維持しやすくなります。
3.成長や学びを促進させる
慣れない海外で目標を達成するためには、新しいことに挑戦したり、自己改善を図ったりする必要があります。
その過程で、新しいスキルや知識を身につけていくこともできます。
何とかして目標を達成しようとすることで、主体的に動き、行動力も身につけられるでしょう。
4.自己評価と進捗の確認
目標を設定することで、目標を達成するための進捗状況を定期的に自分でチェックすることができます。
チェックにより、自身の成長や学びの進み具合を把握したら、必要に応じて調整することが大切です。
それにより、さらに目標を意識し、新たなモチベーションにつなげていけるようになります。
5.留学の成果を判断しやすい
目標をしっかり持っていれば、留学経験を通してどんな成果が具体的にあったのか、留学後に照らし合わせることで、判断しやすくなります。
留学に行ったという経験だけでは、就職や転職において評価されません。
留学を通してどんな成長や学びがあったのか、何を得たのかを明確に伝える必要があります。
そのため、目標がきちんと決まっていると、自分で成果を判断でき、帰国後の転職活動などで、留学経験をアピールする時に活用しやすくなるでしょう。
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留学の目的に合わせた目標を設定する4つのステップ
でも、どうやれば良い目標を決められるか分からないよ……。
- 目的の明確化
- SMARTの原則の適用
- 目標の分解
- 行動計画の策定
これを読むと、留学の目的を達成するための、明確な目標を設定できますよ。
ステップ1.目的の明確化
まず、語学習得、学術研究、海外就職など、自分の留学の目的を明確化してみましょう。
自分が留学を通して最終的に成し遂げたいことは何かを、はっきりさせることで、その目的を達成するための目標を考えることができるようになります。
ステップ2.SMARTの原則の適用
目標を設定する際には、SMART原則を適用すると良いでしょう。
なぜなら、SMART原則を適用すると、具体的で実現可能な目標を設定しやすくなり、その結果として達成しやすくなるからです。
SMART原則は、以下の5つの頭文字をとったものです。
- 具体的(Specific)
- 測定可能(Measurable)
- 達成可能(Achievable)
- 関連性(Relevant)
- 時間枠内で設定されている(Time-bound)
具体的(Specific):具体的な目標にすることで、何をするのか明確になり、行動しやすくなります。
測定可能(Measurable):進捗が分かる具体的な基準を設定することで、達成度を確認しやすくなり、必要な調整ができるでしょう。
達成可能(Achievable):過度に高すぎる目標は挫折を招く可能性があります。
適度な挑戦を含む目標の場合は、モチベーションを高めることができ、効果的です。
関連性(Relevant):自分の価値観や長期的な目標に関連させることで、将来の自分のキャリアに対する影響が明らかになり、やる気につながります。
時間枠内で設定されている(Time-bound):期限を設けることで、緊張感が生まれ、行動のペースを維持することができるでしょう。
目的を達成するために必要な目標が、上記の5つに当てはまっているかどうかを確認しながら考えることで、自己成長や成功の可能性が高められます。
ステップ3.目標の分解
大きな目標をいくつか設定したら、留学期間中に達成すべき中間目標を設定し、小さな目標に分解していきます。
なぜなら、スモールステップだと達成しやすく、そのたびに達成感を味わうことができ、モチベーションの維持につながるからです。
また、小さな目標ごとに進捗を評価することで、自分の進行状況を定期的に確認しやすくなり、必要な調整を行えます。
さらに大きな目標は達成まで遠く感じて、圧倒されることがありますが、小さな目標に分解することで、一度に取り組むべきことが明確になり、心理的な負担が軽減するでしょう。
このように、目標を具体的で実行可能なステップに分解することは、目標達成の可能性が高まり、成功への第一歩となるのです。
ステップ4.行動計画の策定
大きな目標と小さな目標が決まったら、目標を達成するための具体的な行動計画を策定します。
計画を立てることで、何をすべきか明確になり、迷うことなく行動に移すことができるようになるからです。
そうすることで、時間の無駄をなくし、重要なことに集中することも期待でき、確実に目標に向かって進むことができます。
【目的別】留学での具体的な目標例を紹介!
実際、皆がどんなふうに目標を立てているのかが分かれば、もっと作りやすいんだけど……。
これで、どんな目標設定にすればよいのかのイメージができるはずです。
1.語学習得が目的の場合
まず、語学習得が留学の目的の場合、帰国後の就職・転職活動時に英語力を具体的にアピールできるような目標にすると良いでしょう。
例えば、TOEICのスコアアップを目指したい場合、以下のように決めていきます。
大きな目標:TOEICスコア800以上
小さな目標:半年で700を超える
毎日20個単語を覚える
毎日ホストファミリーと1時間以上会話する
学校で1日5人以上に話しかける
予習・復習を必ずやる
このように設定すると、毎日の取り組みをチェックしやすくなり、自分の成長も確実に感じながら、ステップアップすることができるでしょう。
2.海外企業就職が目的の場合
海外企業に就職したいと考えている場合、まず、海外企業でのインターンシップを経験してみたいという人もいます。
そのような場合の留学を通した目標はこうなります。
大きな目標:インターンシップで実務経験の取得
小さな目標:ビジネスレベルの英会話力をつけるために毎日3回は自分から会話する
専門的な知識を身につける
コミュニケーション力や問題解決力を磨く
企業に少しでも貢献する
もしチャンスがあれば、海外企業での面接も受けてみると、海外就職という目的により近づけるかもしれません。
3.学術研究が目的の場合
自分の専門分野をもっと極めるために、より、その分野の研究が盛んな国の大学へ留学するということもあります。
そのような場合に考えられる目標は次の通りです。
大きな目標:研究者として研究の成果を残す
小さな目標:大学・大学院などでの講義に対応できる英語力のを習得する
専門分野の知識を増やす
留学期間中に論文を発表する
現地の研究者や専門家との交流を通じて国際的な研究ネットワークを作る
国際的な学術イベントに積極的に参加する
大学で学びながら研究することは、とても大変で、毎日忙しく過ごすことになります。
その中でも、小さな目標を立てて取り組んでいくことで、達成しやすくなり、成功につながっていくはずです。
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留学目標と成果を転職活動で活かす3つのコツ
- 目標と成果を具体的にアピールする
- スキルや能力へのリンクを明確にする
- 企業や職務との関連性を強調する
留学経験で得た強みが明確になって、企業に良い印象を持ってもらえますよ。
1.目標と成果を具体性にアピールする
まず、留学するにあたって、どのような目標を設定し、どのような成果を得たかを具体的にアピールすることが大切です。
例えば「TOEICスコア800を超えることを目標にして取り組んだが、見事スコア850という結果が残せた」など、数値などで提示すると分かりやすくなります。
また、その結果を残すために、留学中に積極的に取り組んだことや努力したことなど、成果を挙げるまでの過程についても具体的なエピソードも伝えると良いでしょう。
そうすることで、採用担当者からの信頼獲得につながります。
2.スキルや能力へのリンクを明確にする
留学で設定した目標に対しどのような成果を得たかを明確にしたら、次にそれが自身のスキルや能力をどのように向上させたかを説明します。
例えば、留学による語学習得により、国際的なコミュニケーション能力を身につけることができたといった、具体的な能力へのリンクを明確にアピールすると良いでしょう。
それにより、企業にとって有益な人材であることを証明でき、採用担当者に良い印象を持ってもらえます。
3.企業や職務との関連性を強調する
留学で得た経験やスキルを、希望する企業の職務と関連付けて説明しましょう。
留学で得た経験やスキルが、応募先での職務に、どのように活かせるかを具体的に示すことが大切です。
例えば「実践的な英語によるコミュニケーション能力を、貴社の海外顧客とのメールや電話での対応に活かしたい」などと伝えると良いでしょう。
そうすることで、企業の求める人材としてふさわしいことをアピールすることができ、採用の可能性を高めることができます。
TAKASHI KAWAHARA
留学の目的が語学習得の場合は語学力に加えて、留学で得たスキルもアピールする!
留学の目的が語学習得だった場合、転職活動でアピールする時に注意が必要です。
語学力が向上したことを具体的に説明できても、それだけでは評価されないからです。
企業は、語学力を生かして職務を遂行する上で、どれだけ適応し、活躍できるかを見極めようとしています。
留学経験を通して得たコミュニケーション力や行動力、主体性、リーダーシップ力なども合わせてアピールすることで、職務への適性をアピールでき評価につながります。
まとめ
留学経験は、視野が広がり、人生にとって貴重な経験となります。
その限られた期間の貴重な経験をさらに有意義なものにしていくためには、目標の設定が欠かせません。
目標を設定することで、留学の目的を達成するための行動やモチベーションアップや成果を挙げることにつながります。
また目標を設定することで、成果が明確に判断できるため、就職活動や転職活動などでも活かすことができるようになります。
留学を考えている人は、この記事で案内した「目標を設定する4つのステップ」を参考に、しっかりと目標を立てて、充実した留学期間が過ごせるようにしてください。
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TAKASHI KAWAHARA
留学中の振り返りも大切!
具体的な目標を設定できたら「もう大丈夫」ではありません。
確実に目標を達成して成果を出すためには、留学中にその目標に対する進捗状況を定期的に振り返ると良いでしょう。
進捗が遅れている場合は、原因を分析し調整を行い、目標達成に向けて努力を継続するようにしましょう。
目標を達成できたら、次のステップに進み、新しい目標を設定します。
そうすることで、より充実した留学期間を過ごすことができ、確実に成果を挙げられるようになります。