やっぱり留学は、1年くらいの長期間じゃないとダメなのかな?
ただ、その後の就活に活かしたいのであれば、1年くらい腰を据えて留学した方が成果が上がりやすいという側面はありますね。
留学経験を武器に有利な就職・転職を目指しているのであれば、やはり留学により身につけた確固たるスキルが必要になります。
数ヶ月の短期留学では、そこまでのスキルを身につけることは難しく、十分なアピールポイントにはなりにくいことは否めません。
そこで、この記事では1年間の留学にかかる費用の相場と長期留学のメリット、就活への活かし方を解説します。
目次
Career Study
1年間の留学でかかる費用はどれくらい?
日本学生支援機構(JASSO)が留学経験者を対象に行った調査を見てみましょう。
引用:日本学生支援機構(JASSO)「海外留学経験者の追跡調査 平成30年版」
同調査によると、1年~2年未満の留学で費やした費用は、150万円~300万円のゾーンが最も多くなっていることが分かります。
1年間、留学するだけでも大きな金額がかかることが予想できますね。
語学留学のモデルケースを紹介
次に一般社団法人ワーキング・ホリデー協会が試算した、語学留学の費用試算を見てみましょう。
ここでは、オーストラリアに1年間、語学留学した場合のモデルケースを紹介します。
【オーストラリア1年間の語学留学費用モデルケース】
学費 | 150万円 |
生活費 | 160万円 |
保険料 | 30万円 |
航空券 | 15万円 |
ビザ申請代 | 5万円 |
合計 | 360万円 |
参考:一般社団法人ワーキング・ホリデー協会「語学留学の費用について」
学費と現地での生活費だけでも、300万円を超えていることが分かります。
航空券や保険料は早く手配することで若干は抑えられますが、大幅に金額を下げるには至りません。
やはり、1年間の留学ともなると、多額の費用がかかってしまうようです。
留学先の国別の費用相場は?
留学先の候補となりやすい英語圏の国に着目して、国別の費用相場も見てみましょう。
株式会社留学ジャーナルの独自調査によると、以下の結果となりました。
留学先の国の物価相場により金額に差がでるようです。
【学費・滞在費・食費の目安】
アメリカ | 459万円〜608万円 |
カナダ | 318万円~414万円 |
イギリス | 573万円~698万円 |
オーストラリア | 319万円~486万円 |
ニュージーランド | 344万円~382万円 |
参考:株式会社留学ジャーナル「海外留学大辞典 留学の費用」
一年間の長期留学をするメリット
時間と費用を確保できるのであれば、長期留学は自らを大きく成長させるチャンスとなるでしょう。
具体的なメリットは以下に挙げる通りです。
語学力が飛躍的に向上する
滞在期間が長いことは語学力向上において、大きなアドバンテージとなります。
短期留学では、やっと現地の言葉に慣れてきた頃に帰国日がやってくる、といったことも起きがちです。
しかし長期留学であれば、じっくり語学力の向上に取り組めます。
また日常生活や学校では、必ず現地の言葉で話さなくてはなりません。
1年間の滞在期間あれば、日常会話だけでなく、スラングやネイティブの言い回しなども身につきやすいでしょう。
勉強以外の活動に時間を使える
短期間の留学では、現地の生活に慣れたり言葉を覚えたりすることだけで精一杯になってしまい、常に余裕がない状態であっという間に日々が過ぎてしまいます。
その点、長期留学なら語学力の面では半年ほど滞在すれば、日常生活での不便は感じなくなるものです。
それくらいになると、余裕もでてきて勉強以外の活動もできるようになります。
留学先を拠点に周辺の国に旅行して見聞を広めたり、ボランティアなど様々な活動に参加したりすることで経験値をより高められるでしょう。
現地の文化や生活をより深く知ることができる
その国に長く滞在すればするほど、現地の文化や生活、国民性などをより深く知ることができるものです。
このことは、留学後のキャリアに大きなメリットをもたらすことも考えられます。
例えば、商社に入社して留学経験のある国を担当するとします。
その国で働く人のメンタリティや独自の商習慣を理解しているので、良好なコミュニケーションを築きやすく、仕事にプラスの影響をもたらすでしょう。
現地の文化や生活をより深く知ることは、今後の仕事に活かせる可能性も大いにあるのです。
自信がつき積極的な行動がとれるようになる
知り合いもいない外国で1年間生活するには、それなりのバイタリティが必要になってきます。
トラブルやアクシデントに遭遇して対処する経験は、あなたが一皮むけるきっかけとなるでしょう。
渡航したばかりのうちは、言葉がイマイチ分からなくても、現地の人に話しかけるなど、思い切りのある行動が必要になってきます。
そうしているうちに自信と度胸がつき、行動も自ずと積極的になっていくのです。
キャリアにつながる経験を積める
長期の留学であれば、語学の勉強だけでなくインターンシップへの参加など、後のキャリアにつながる活動をする時間も確保できます。
インターンシップによる海外企業での実務経験は、外資系企業への就活を考えている人にとっては、大きなアピールポイントとして使えるでしょう。
場合によってはインターン先の企業に就職するなど、そのまま海外で働くというキャリアにつながる可能性もあります。
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1年間の長期留学をするデメリット
でも、デメリットもあるよね?
長期留学は時間に余裕があり勉強以外にも様々な経験が積めるため、自身を大きく成長させるチャンスになります。
しかし、デメリットがあることも事実です。
メリットとデメリット、双方をよく考えてから留学を決断しましょう。
キャリアにブランクが生じる
キャリアの空白期間が生じてしまうことは、長期留学の大きなデメリットです。
学生の場合は、留年や休学することになります。
社会人の場合、多くは今の仕事を退職したり休職したりして留学することになるでしょう。
最低でも1年間、履歴書の空白期間が生じることは避けられません。
特に社会人留学の場合は、退職している際は帰国後すぐに仕事が見つからなければ、さらにキャリアの空白期間が伸びてしまいます。
その後の就職が不利になるリスクがあることは、忘れないようにしましょう。
十分な成果が得られないこともある
1年間の長期留学を経ても、あまり語学力が向上しなかった、就活のアピールポイントとなるようなスキルが身につかなかったというケースも起こり得ます。
留学先の生活が刺激的で遊びに夢中になったり、時間があるからとのんびり過ごしてしまったりすることが主な原因です。
なかには、現地での生活がストレスになり、体調を崩しがちで勉強に集中できないといったことも起きるかもしれません。
いずれにせよ、1年間の留学に見合うだけの成果が得られなければ、多額の費用と膨大な時間を無駄にしてしまうことになります。
多額の費用がかかる
短期留学と比較して滞在期間が長くなる分、どうしても費用が高額になることは避けられません。
冒頭に述べた通り、1年間の長期留学には300万円程度の費用が必要です。
費用を工面するだけでも、相当にハードルが高いのではないでしょうか。
貯金がある人はその大半を使うことになるでしょうし、奨学金やローンを組んだ人は帰国後に返済していかなければなりません。
経済的な負担は、留学後も続くと思っておいた方がよさそうです。
長期留学の経験を就活に活かすポイントとは
留学により向上した語学力やスキルは、企業の採用担当者に魅力的に映るようにアピールしなければなりません。
企業が知りたいのは、応募者が留学で得た語学力・経験・スキルで、どのように自社に貢献してくれるかということです。
ここをしっかり伝えられるような準備をしなければ、留学経験を有利に活かせなくなってしまいます。
留学の成果は明確に言語化する
留学により自分がどのように成長しスキルを身につけたのか、明確に言語化して伝えられるように準備をしましょう。
そのためには、深い自己分析が必要です。
うまく言語化できない場合は長く滞在しただけで、取り組みが浅かったのかもしれません。
その時は、語学力やスキルだけでなく、留学先での印象的な経験からどのような学びを得たのか考えてみます。
明確な成果と、その成果によりどのように会社に貢献できるのか、セットで語れるような準備をしておきましょう。
語学スキルは資格で証明できるようにする
語学力の向上は就活の武器にしたいものです。
そのためには、客観的な指標で語学力を示さなくてはなりません。
具体的には、TOEIC800点、900点など、資格で証明できるようにしておきましょう。
ただ、英語力だけを自信満々にアピールすることは、おすすめできません。
企業が求めるのは「英語を話せるか」ではなく「英語を駆使して何ができるか」であることを忘れないようにしましょう。
転職エージェントの力を借りる
留学前・留学中・留学後、どの場面でも就活を意識することで、実のある留学生活を送れるようになるものです。
そのためには、転職エージェントの情報力が役に立ちます。
留学前の準備段階では、留学経験のある転職者の情報を得ることで、留学プラン選びの参考にできるでしょう。
留学中も就活情報を定期的に仕入れておけば、帰国後の就活を意識した行動がとれるようになり、帰国後すぐに就活を始められます。
帰国後、実際に企業にアプローチする段階では、留学経験者を積極採用している企業情報の提供や求人の紹介を受けることができます。
留学経験が強みとなるようなアピールポイントの整理や、面接対策も行ってくれるなど、強い味方になってくれるでしょう。
TAKASHI KAWAHARA
どのような長期留学経験者がNGとされるのかを知っておく
企業の採用担当者にとって、留学経験者はさほど珍しいわけではないことを理解しておきましょう。
留学したことだけをしきりにアピールしても、留学により何を得て仕事にどう活かしたいのかが伝わらなければ、逆にマイナス評価になってしまいます。
また英語力だけで選考を突破しようとするのもNGです。
英語が話せることだけではプラスのアピールにはなりません。
また自信があることは良いことですが、「傲慢」な印象に受け取られてしまうと選考に落ちてしまう可能性もあります。
留学経験を鼻にかけることなく、あくまでも謙虚な姿勢でアピールしましょう。
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まとめ
1年間の長期留学は300万円程度の高額な費用がかかる反面、充実した留学生活が送れることが大きなメリットです。
語学力が飛躍的に向上するだけでなく、勉強以外の活動に時間を費やせるため、短期留学では経験できないような成長実感が得られるでしょう。
留学経験を帰国後の就職に活かすには、留学により得た成果をより魅力的に語る必要があります。
そのためには、自己分析や面接対策に客観的な視点を入れることが欠かせません。
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TAKASHI KAWAHARA
費用面の問題は留学エージェントを慎重に選ぶことで解決できる場合も
留学を検討した際、留学エージェントから情報を集めることが多いのではないでしょうか。
その時は必ず複数のエージェントの話を聞いて、費用面を比較してみましょう。
留学エージェントの中には、企業努力により低価格でパッケージ化されたプランを提供していたり、留学費用向けの低金利なローンを斡旋してくれたりするところもあります。
プランの内容と費用のバランスを考えて、最適なエージェントを選ぶようにしましょう。