どのくらいのスコアがあればいいんだろう。
英語を活かせる仕事に転職したい方や、英語を活かせる仕事にはどんなものがあるのか知りたい方は多いでしょう。
そんな時、TOEICは取っておいた方がいいのか、どのくらいの点数があればいいのかと考えるのではないでしょうか。
この記事では、なぜTOEICが英語を活かした仕事への転職に必要なのか、TOEICスコア別に英語を活用する仕事やその業務内容、必要な英語力について解説します。
各職種で目安の英語レベルを挙げていますが、英語でのコミュニケーション力が高ければ高いほど職業選択の幅が広がるでしょう。
さらに、即戦力として転職が成功する可能性も高くなりますよ。
ぜひ参考にしてくださいね!
目次
Career Study
なぜTOEICが転職に必要なのか?
TOEICは、英語を第二言語とする国際的なコミュニケーションに必要なスキルを評価するテストです。
そのためTOEICスコアを持つことは、グローバルな環境でのコミュニケーションが求められる職場での価値を高めます。
企業が国際市場で事業展開している場合、TOEICスコアは特に重要です。
またより高いTOEICスコアを持つことで、他の応募者との競争において優位性を持つことができます。
スコアは雇用主である企業にとって魅力的な要素となり、選考プロセスでの差別化に役立ちます。
スコアの向上は、就職や転職の成功に向けた一つの大切な手段なのです。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会の調査によると、約60%の企業が採用される際にTOEICプログラムスコアを採用時の要件または参考として活用しています。
多くの企業が英語スキルを求めており、TOEICスコアがその評価基準として用いられていることが分かりますね。
また企業が社員に期待するTOEIC L&Rスコアは新入社員は535点、中途社員は560点、技術部門では平均560点、営業部門では平均575点、海外部門では平均690点となっています。
多くの企業が、グローバル化に対応するため全社員に対して一定の英語力を求めていることが分かります。
参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「就職やキャリアアップに役立つTOEICProgram」「就活視点でテータから見るTOEIC TEST」
参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」
企業がTOEICを採用の基準にする理由
ここでは多くの企業が、TOEICスコアを採用基準の一つとして使用する理由を説明します。
1.効率的に即戦力かどうかの判断ができるから
TOEICは英語力を測るためのグローバルスタンダードとして、アジアから北米、南米、アフリカ、ヨーロッパまで全世界約160ヶ国で実施されています。
実際のリアルなビジネスシーンや日常生活に即した内容で構成されているので、TOEICの学習をすることで、実践的なビジネス英語力を身につけることができます。
このことから、企業の人事担当者は候補者のTOEICスコアを見るだけで、その人の英語レベルを一目で知ることができるため、即戦力かどうかの判断に大きく貢献してくれるのです。
またTOEICでハイスコアを達成するには、一定の英語力と努力が必要です。
だからこそ高いTOEICスコアは、仕事に真剣に取り組み、成果を出すことができる人材として期待もされることでしょう。
TOEICスコアを採用基準のひとつとすることで採用プロセスが効率化され、即戦力として期待できる候補者を迅速に選ぶことにつながります。
2.国際展開への必要性が高まっているから
日本の人口減少や今後の経済活動を考え、日本企業は国際市場に進出する必要性を認識しています。
海外でのビジネス展開には英語力が必須となるため、TOEICスコアが高い候補者は、国際的なビジネスに貢献する可能性が高く期待されるでしょう。
TOEICのスコアは国際展開に適した候補者を特定するための、重要なツールとして機能しているのです。
TAKASHI KAWAHARA
「ネイティブ並みに話す自信はない」という場合は、日系企業がおすすめ!
「英語で仕事をする」と考えると、外資系企業を検討する人も多いでしょう。
しかし外資系企業の場合は、そもそも従業員は英語のネイティブスピーカーのことが多く、社内公用語が英語のところも少なくありません。
そのため「ただ英語が得意」なだけでは評価につながりにくいことが現状です。
グローバル化が進むなか、日系企業でも英語で仕事をする能力がある人の需要は年々高まっています。
たとえば一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会による「英語活用実態調査」を見てみると、約半数の企業・団体が採用にTOEICのスコアを採用の要件・参考としていると答えています。
また企業・団体が採用の要件・参考とするTOEIC L&Rスコアの平均は、新入社員が545点、英語を使用する部署の中途採用が620点となっています。
英語力は他の資格と比較しても高評価に直結しやすく、TOEICが700点以上の就活生・転職希望者は人気企業でも有利に選考を進められるケースも少なくありません。
「英語力で周りの人と差をつけたい」という場合は、外資系ではなく日系企業を目指すのも良いでしょう。
参考:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」
Career Study
TOEIC点数別|英語が活かせる職種を紹介
ここではTOEICのレベルごとに、英語力を活かせる職種を紹介します。
なお、あくまでも目安であるため、実際の企業によって求められる水準は異なることを前提にご確認ください。
【TOEIC500~600点】
- ホテルスタッフ
- ツアーデスク
- 空港グランドスタッフ
【TOEIC600点~】
- キャビンアテンダント
- ツアー添乗員
- 児童英語教師
【TOEIC700点~】
- パイロット
- バイヤー
- 貿易事務
【TOEIC800点~】
- 海外特派員
- 外資系企業
- 中学・高校英語教員
【TOEIC900点~】
- 翻訳家
- 通訳士
- 語学系大学・専門学校教師
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
TOEIC500~600点
TOEIC500〜600点の英語力は通常会話はでき、ある程度の業務上のコミュニケーションも可能なレベルです。
TOEIC500〜600点レベルの英語力を活かせる職種は以下の通り。
- ホテルスタッフ
- ツアーデスク
- 空港グランドスタッフ
それぞれの仕事内容について説明します。
ホテルスタッフ
海外からのお客様を迎える機会も多いホテルスタッフは、英語を活かせる仕事です。
ホテルスタッフのなかでも、フロント業務は英語を使う機会が非常に多く、外資系ホテルであれば同僚にも外国人がいる事もあります。
ホテルによっては、TOEICの点数を採用の指標としている場合もあるので、事前に応募条件に目を通しておくと良いでしょう。
ツアーデスク
ツアーデスクは、旅行会社で販売を担当する窓口のことです。
例えば、日本人客向けのサービスでは海外のホテルを予約したり、インバウンド客相手には英語で国内を案内したりなど、様々なシーンで英会話を使う必要があります。
空港グランドスタッフ
空港グランドスタッフは、旅客機に搭乗する人の搭乗手続きを行ったり搭乗案内をしたりするのが仕事です。
就業すれば、空港カウンターや空港ゲートが勤務場所となります。
特に成田空港や羽田空港、関西国際空港や中部国際空港などは、国際線の本数が多いため、英語を使う場面が非常に多いです。
空港グランドスタッフは乗客のニーズを正しく理解し、臨機応変に適切なサポートを英会話を使って行わなければなりません。
採用条件に高い英語力を求める企業も多いため、難易度の高い英語資格やTOEICの高スコアがあると有利です。
TOEIC600点~
TOEIC600点以上の英語力は、通常会話は支障なく応答でき、少し複雑な場面でも対応できるレベルです。
TOEIC600点以上の英語力を活かせる職種は以下の通り。
- キャビンアテンダント
- ツアー添乗員
- 児童英語教師
それぞれの仕事内容について説明します。
キャビンアテンダント
キャビンアテンダントとは、飛行機内で乗客が安心してフライトを楽しめるよう、各種接客サービスを行う仕事です。
旅客機内で様々なサービスを提供する他、緊急時にはトラブル対応・避難誘導も行います。
ちなみに国際線の客室乗務員の場合、外国人の接客は英会話で行うことがほとんどです。
またパイロットや同僚などとのやり取りも基本的に英語なので、高い英会話力が必須能力となります。
近年では国内線でも外国人旅行客の比率が高まっているので、高い英会話力がある方が採用に有利な傾向にあります。
キャビンアテンダントの採用試験応募要項には、求める英語力のレベルが記載されていますので事前に確認すると良いでしょう。
ツアー添乗員
ツアーの添乗員は日本人のツアー客と海外の現地まで同行し、サポートする仕事です。
海外の旅行先でスケジュール管理や、現地のホテルでのチェックイン、レストランの手配、トラブルへの対応など様々な場面で英会話を使う必要があります。
専門的なビジネス用語などは必要ではありませんが、現地でのやり取りでは正確に英語を聞き取り、対応する必要があります。
より実践的な英会話力が必要となる仕事ですので、日頃より英語を使っておくと良いでしょう。
児童英語講師
児童英会話講師は、幼児から小学生までの子どもに英語を教える仕事です。
レッスンの時間帯は、基本的には英語で子どもたちとコミュニケーションをとることになります。
外国人の先生と円滑にコミュニケーションをとるためにも、英語力が重要視されます。
スクールによっては、先生同士も英語で会話したり、英語で会議したりするスクールもあるため、日常会話以上の英語力があると良いでしょう。
TOEIC700点~
TOEIC700点以上の英語力は通常会話はほぼ理解でき、話題が特定分野にわたっても対応できるレベルです。
TOEIC700点以上の英語力が活かせる職種は以下の通り。
- パイロット
- バイヤー
- 貿易事務
それぞれの仕事内容について説明します。
パイロット
旅客機の操縦を行うパイロットは、業務の大半を英語で行い、高い英会話力も求められます。
具体的には、航空管制官との会話を英語で行ったり、海外で英語でパイロットの訓練を行ったりします。
大手航空会社のJALやANAの応募資格にTOEICレベル等の記載はありませんが、選考ステップの中に英会話の試験があります。
高いレベルの英語力がなければ合格は難しくなるため、TOEICテストなどを定期的に受験し、自分の英語力を知り、さらに上げていくことが必要です。
バイヤー
バイヤーは、お店で売る商品の買付けを行う仕事で、とくに海外の商品を買い付ける必要がある際に英語を使用します。
仕事をする場所は主に小売業者や商社で、商品を店舗で売るためには欠かせない存在といえるでしょう。
最近は実店舗のみならず、ネット店舗も多数存在するため、活躍の場は以前より増えています。
また高値づかみにならないよう値引き交渉する際、英会話力は必須ですし、通訳をつけずに海外での活躍を目指すなら高い英語力が必要となります。
貿易事務
貿易事務の業務では、貿易書類の作成や確認、出荷・輸送、通関等の手配、出荷・納入管理などを行います。
貿易では英語を公用語としているため、取り扱っている書類の8〜9割は英語となるため、書類やメールのやりとりでは「読み」「書き」、電話連絡や交渉をする場合には「聞く」「話す」力も必要です。
TOEIC800点~
TOEIC800点以上の英語力はネイティブスピーカーほどではないものの十分なコミュニケーションができるレベルです。
TOEIC800点以上の英語力が活かせる職種は以下の通り。
- 海外特派員
- 外資系企業
- 中学・高校英語教員
それぞれの仕事内容について説明します。
海外特派員
海外特派員とは新聞社や放送局に勤務し、海外にある支局から現地のニュースを日本へ送る仕事です。
海外に在住し英語でコミュニケーションを取りながら取材をしてニュースを集めるため、高い英会話スキルが求められます。
毎日膨大な量の現地の新聞を、短時間で読みこなして理解する必要があるため、英語のリーディングのスキルは重要です。
さらにラジオやテレビからも情報を得る必要があるので、リスニング力も大事です。
外資系企業
外資系企業には、金融系・IT系・メーカー系・コンサルティング系など多様な業種があります。
外資系企業では外国人の社員が多く、会議やメールなどで日常的に英語を使う機会があるため、意思疎通ができるレベルの英語力が求められます。
スキルや実務経験が重視される傾向にあり、英会話スキルだけで採用を勝ち取るのは困難です。
英語力とともに専門的なビジネススキルを身につける必要があるため、海外インターンシップを経験することも有利になるでしょう。
中学・高校英語教員
中学校や高等学校で英語を教える仕事です。
授業は、基本的に英語を使って進められるため、授業の進行や生徒からの質問への返答など全て英語で行う必要があります。
英語力はもちろんのこと、生徒、保護者、他の先生と信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が必要です。
また、先生という立場に立つ責任感や人柄も重視される職業です。
採用されるためには教員免許が必要になり、各地方自治体や学校法人による採用試験に合格する必要があります。
TOEIC900点~
TOEIC900点以上の英語力は語彙・文法・構文のいずれも正確に把握し、使いこなせる話せる力を持つ非常に高いレベルです。
TOEIC900点以上の英語力が活かせる仕事は以下の通り。
- 翻訳家
- 通訳士
- 語学系大学・専門学校教師
それぞれの仕事内容について説明します。
翻訳家
翻訳家とは、日本語から英語、英語から日本語へ言葉を翻訳する仕事です。
翻訳家といっても、小説や映画などのエンタメ作品の翻訳から、ビジネス文書の翻訳まで仕事内容は多岐にわたります。
また、それぞれの言語を直訳するだけでは真意が伝わらないことも多いので、業界やサービス・商品等の専門知識、世界各国の文化や歴史、宗教等の幅広い教養が必要になります。
海外の作家や出版社などとのコミュニケーションをとる必要もあるため、英会話を使うことも多い仕事です。
通訳者
通訳者も翻訳家と同様、日本語から英語、英語から日本語へと言葉の橋渡しを行う仕事です。
通訳が翻訳と最も違う部分は、その場で即座に訳さなければならない点が挙げられます。
通訳者が活躍できる場は、社内会議や商談などのビジネス通訳、大規模な国際会議やシンポジウムでの会議通訳、ニュースや国際放送の同時通訳など様々です。
いずれにしても高い英語力のみならず、各業界やサービス・商品等の専門知識、世界各国の文化・歴史・宗教等の幅広い教養も必要となります。
語学系大学・専門学校教師
語学系の専門学校や大学で英語を教える仕事です。
授業の進行、生徒の質問への返答は、全て英語で行われるため、高い英会話力が必要とされます。
業務として、指導計画の作成やテストの作成・採点なども行います。
学生に英語を教えるだけでなく、外国人教員と指導方針について話し合うこともあるでしょう。
参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「PROFICIENCY SCALE(TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)」「レベル別評価の一覧表」
TOEICが活かせる仕事に就くためのポイント
TOEICで高得点を取ったからといって、それだけで仕事がこなせるようになるわけではありません。
では、TOEICの資格が活かせる仕事に就くためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
TOEICが活かせる仕事に就くためのポイントを3つ見ていきましょう!
1.専門知識について学ぶ
英語だけでなく、自分が興味を持つ分野に関する学術的な教育を受けることが必要です。
大学や短大、専門学校で関連する専攻を選ぶか、オンラインコースや認定プログラムを利用して専門知識を習得すると良いでしょう。
また関連業界や分野での実務経験を積むことで、理論だけでなく実務的なスキルも磨くことができます。
インターンシップで経験を積むのも良い経験となるでしょう。
2.ビジネススキルを身につける
仕事の現場で求められる能力は、ただ英語が話せるだけではありません。
英語で「営業する能力」、「マーケティング戦略を立てられる能力」、「交渉を成立させる能力」などのビジネスを遂行する能力が求められます。
ビジネスでは英語はあくまでコミュニケーションツールに過ぎず、英語だけできても意味がありません。
英語を使った仕事で成果を出して、初めて評価されます。
そのため思考力や判断力、行動力、コミュニケーション力などを総合した人間力とビジネススキルが重要となります。
インターンシップやアルバイト、ボランティアなどを通してビジネススキルを磨いておくと英語を使った仕事につける可能性も高くなるでしょう。
3.異文化理解を高める
外国で働いたり、外国人とコミュニケーションをとる際には、相手の発言の意図や心理を正しく受け取るために海外の文化や習慣の知識が必要となります。
留学プログラムや異文化教育セミナーなどに参加し、異なる文化や価値観を実体験すると良いでしょう。
そうすることで異文化に対する理解を高め、文化的な違いを尊重する能力を養うことができます。
Career Study
まとめ
TOEICは、英語を活かした職種のある多くの企業が採用の応募要件としています。
そのためTOEICの高いスコアを取得していると、就職や転職の幅が広がり、より英語を活かした仕事に就ける可能性が広がるでしょう。
しかしグローバル社会の中で、ただ英語が話せる人材は増えています。
そのため、英語を活かした仕事に就きたい場合は専門的な知識やビジネススキルが必要となります。
英語力を磨き、TOEICのスコアを上げるとともに、専門知識を学ぶ事やビジネスの経験を積むことが大切です。
TOEICスコアを活かせる仕事を見つけたい方はぜひ私たちUZUZにご相談ください。
自己分析や求人紹介など、転職に関するあらゆるサポートが可能ですので、どんな仕事があるのか、どんな仕事が向いているか分からない方も大丈夫!
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TAKASHI KAWAHARA
昇進・昇格時には、スピーキング・ライティング能力も求められる
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会による英語活用実態調査によると、社内で昇進・昇格する際の要件としてTOEICのスコアを設定していることが分かります。
ある情報通信サービス企業では、TOEIC L&Rに加えてTOEIC S&Wのスコアも要件として設定されています。
昇進・昇格時にはリスニング、リーディングに加え、スピーキング、ライティング能力も求められるのです。
下の表を見ると役職が上がるにつれて要件スコアも高くなっていくのが分かりますね。
役員への昇進・昇格にはTOEIC L&Rスコア800点、TOEIC Speakingスコア170点、TOEIC Writingスコア170点が求められています。
昇進・昇格を目指すなら、英語のスキルを常に磨くとともに、定期的にTOEICの勉強をして受験することが必要とされているのです。