でも、留学すれば英語がペラペラになって、就活も有利になるって言ってるけどホントかなあ?
そのためには、ある程度留学前に英語を身につけておくことをおすすめします。
「就活に有利になるかも」という理由で、海外留学を計画する方もいらっしゃるかもしれません。
確かに英語力が求められる仕事に就きたい場合は、留学経験はアドバンテージになることもあります。
特に外資系企業などに狙いを定めている人は、実際に留学を計画している人もいるでしょう。
結論を言います。
留学経験をアピールポイントとして就活を有利にしたいのであれば、留学生活を有意義なものにして、目に見える成果を出すことが必要です。
そのためにも留学前に、ある程度の英語力を身につけておくことをおすすめします。
目次
Career Study
英語を勉強せずに留学した人の末路とは?
全く英語が話せない状態の人が留学して、現地で英語に触れていれば自然と話せるようになるケースは、そう多くありません。
特に3ヶ月、6ヶ月といった短い留学期間の場合は、注意しなくてはなりません。
なぜなら現地で英語に慣れるまでには時間を要するため、「やっと慣れてきたところで帰国」なんてことになりかねないからです。
そこで次項からは英語が話せないまま留学すると、どんな状態になりやすいのかを見ていきましょう。
- 周囲が何を話しているのか理解できない
- 英語が理解できないため授業についていけない
- 日本人ばかりと一緒に過ごし英語力が全く身につかない
それぞれ詳しく見ていきます。
周囲が何を話しているのか理解できない
渡航直後の入国手続きから、相手が何を話しているのか理解できない恐れがあります。
学校や宿舎の手続きも英語が聞き取れずに苦労します。
普段の生活、電車での移動や買い物にも不自由するため、外出することが億劫になってしまうかもしれません。
こうなると、外に出て人に会うことが苦痛になってしまうでしょう。
孤独で引きこもりがちになってしまい、何のために留学したのかさえ分からなくなってしまいます。
英語が理解できないため授業についていけない
基礎的なリスニング力が身についていないため、授業に出ても講師や他の留学生が何を話してるのか理解できません。
当然、授業にはついていけず、ただ時間が過ぎていきます。
高い費用を工面して留学したのに「自分は何をやっているんだ」と自己嫌悪にさいなまれてしまうこともあるでしょう。
思い描いていた留学生活とのギャップに耐えかねて、予定を変更して早期帰国なんてことにもなりかねません。
日本人ばかりと一緒に過ごし英語力が全く身につかない
最初は苦労したとしても、周囲の人と英語で話す努力を続ければ、時間はかかっても多少の英語力は身についていくでしょう。
心が折れずに努力ができれば、有意義な留学生活を送れるかもしれません。
しかし問題は、孤独に負け「心が折れてしまった」場合です。
孤独に負け、さらに英語で話す努力を放棄してしまった場合、同じような境遇の日本人ばかりと時間を過ごすようになります。
こうなると、英語を上達させるチャンスを放棄してしまったも同然です。
せっかくの留学を無駄にしてしまうことは、火を見るより明らかでしょう。
留学の種類別・求められる英語力とは?
海外留学は、その目的別にいくつかの種類に分類されます。
それぞれの目的に応じて、身につけておくと安心できる英語力を確認していきましょう。
語学留学(大学生・社会人)
語学留学は、現地の語学学校に入学し英語を学ぶことを目的とします。
英語の上達が目的のため、最初から高度な英語力が必要なわけではありません。
しかし、ある程度のリスニング力やボキャブラリー、読解力は高めておいた方がよいでしょう。
特に留学期間が短期の場合は、英語に慣れるまでの時間を多くとれないため、事前に勉強しておくことで限られた留学期間をフル活用できます。
目安としては、英検準2級、TOEIC600点程度の実力があれば安心できるようです。
大学・大学院留学
大学・大学院留学は、そもそもの目的が英語力の向上ではありません。
専門的な学問のより深い追及が目的のため、留学時点である程度の英語力を持ちわせていることが前提であり、入学に際して英語力の基準が設けられている場合もあるほどです。
勉強する分野によっては日常会話レベル以上の専門的な英語力が求められることもあります。
目安としては、英検準1級、TOEFL iBT60点以上の英語力があれば安心できそうです。
インターンシップ留学
インターンシップ留学とは、日本の学生や社会人が一定期間、海外で企業の研修生として就業体験を行うものです。
現地の社員や顧客、取引先とも英語でやりとりするため、事前に英語力を高めておかないと、かなり苦労してしまいます。
また、携わる業務によっては、専門分野の英語力が必要です。
日系企業がインターン先の場合は求められる英語力は低くなりますが、それでも日常会話くらいはこなせるレベルが求められます。
目安としては、英検準1級、TOEFL iBT70点以上の英語力があると安心できるでしょう。
ワーキングホリデイ
ワーキングホリデイとは、日本と協定を結んでいる国や地域に、比較的自由な渡航目的で長期間滞在できる制度です。
18歳~30歳までの若年層を対象としているため、大学生だけでなく、就活で成果が出なかった人や、早期離職した社会人が利用するケースもあります。
語学学校に通ったり、観光を楽しんだりと様々な目的で滞在が可能です。
特徴は現地での就労が認められていること。
そのため、働きながら活きた英語が学べる点がメリットといえます。
ワーキングホリデイでは、特別な英語力は求められません。
しかし、日常会話レベルの英会話ができると、現地での生活がスムーズにスタートできるでしょう。
Career Study
留学前におすすめ!効果的な英語勉強法を解説
ここでは以下の、留学前に高めておくとよい英語スキルを解説します。
- ボキャブラリーを増やす
- 英文法を学びなおす
- リスニング力を鍛える
- スピーキング力を鍛える
- リーディング力を高める
- ライティング力を高める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ボキャブラリーを増やす
語彙力が高めておくだけでも、現地でのコミュニケーションにかなり役立ちます。
なぜなら理解できる英単語が多いと、会話の聞き取りもスムーズになるからです。
単語学習は一人でコツコツとやるもの。
日本にいてもできることなので、留学前に済ませておくべきです。
それに留学先の宿舎で、1人で単語学習をするのは時間の無駄と言わざるを得ません。
留学中はできるだけ現地の人や、他国からの留学生とのコミュニケーションに時間を割きましょう。
単語学習は2,000語程度の単語帳を購入し、繰り返し学習することをおすすめします。
英文法を学びなおす
英語力の基礎を固めるには、中学・高校で学んだ英文法を再度学びなおすことが効果的です。
日常会話では難しい英文法は必要なく、中学・高校レベルの単語力と英文法の知識があれば対応できるためです。
英文法学習は、英単語と同様に日本にいる間にできます。
現地での時間を無駄にしないためにも、留学を検討し始めた早い段階から取り組みましょう。
リスニング力を鍛える
リスニング力は、現地で英語に触れて磨けばよいと考えがちです。
確かに現地に行けば、否応なしに英語をシャワーのように浴びることになるでしょう。
現地についてすぐ「何を言っているのか分からない」とパニックにならないためには、ある程度リスニング力を高めておくことが必要です。
最初のパニックがトラウマになると、その後の留学生活を消極的に過ごしてしまうことも。
そうならないためにも、日本にいる時から耳を英語に慣らしておくと安心できます。
なかでも聞こえてくる英語を声に出して繰り返す、シャドーイングはおすすめの勉強方法です。
映画やYouTubeなどを利用し、字幕なしでセリフを聞き取る訓練を行えば、楽しみながら耳を鍛えられるでしょう。
スピーキング力を鍛える
リスニング力と同様、現地ですぐに必要になるのがスピーキング力です。
最初から100%自分の意思を伝えられなくても構いませんが、最低限の意思表示はできるようにしておきましょう。
鍛える方法は、とにかく英語で話す機会をたくさん作ることです。
外国人が多く集まる場所に出向き、積極的に話しかけるのは、リスニング力・スピーキング力を鍛えるよい訓練になります。
昨今ではオンライン英会話のサービスも充実しているため、活用してみるのもおすすめです。
リーディング力を高める
留学先では思いの他「読む力」も必要になってきます。
英文を読む力を高めておくと、留学手続き等で必要な書類もスムーズに理解できるでしょう。
学習に使用するテキストをある程度読み込めるスキルがあれば、予習が行えるため勉強もはかどります。
リーディング力を高める方法は、まず英語の文章構造に慣れることから始めます。
慣れてきたら英文の意味の区切りごとに「/」を入れていく、スラッシュリーディングを実践してみましょう。
英文読解力の飛躍的な向上を実感できます。
楽しみながら英文読解力を高めたいのであれば、簡単なエッセイや子ども向けの書籍で勉強するのもよい方法です。
ライティング力を高める
留学では「書く力」も重要です。
「書く力」といっても、なにも学術的な文章や論文を書くわけではありません。
日常生活におけるメールでのやりとりなど、テキストによるコミュニケーション程度のライティング力があれば十分でしょう。
とはいえテキストによるコミュニケーションは、会話ほどの瞬発力は必要としませんが、日常的な訓練をしないと身につきません。
英語で日記をつけるなど、英語で書くことを日常の習慣にすることが、おすすめの訓練方法です。
そもそも留学経験は就活のアピールポイントになるのか?
それだけでもアピールポイントになるんじゃないの?
たとえば在学中に休学して留学した場合、最低でも1年は社会に出るのが遅くなります。
また、就活が上手くいかず卒業後に留学したり、一度社会に出てから離職して留学したりするケースでは、年齢を重ねてしまうデメリットもあります。
企業が留学経験をどの程度重視するのかを調査した資料がありますので、確認してみましょう。
内閣官房の資料によると、「留学経験者を積極的に採用したい」とした企業は2023年度において、わずか7.1%しかありません。
こうした結果からも「単に留学を経験し異文化に触れた」「国際的な視点が養われた」というだけでは、十分なアピールポイントにならないことが分かります。
参考:内閣官房「令和5年度就職・採用活動に関する調査(企業)調査結果【速報版】」
Career Study
留学経験を就活のアピールポイントにするために大切なこととは?
留学経験により得た強みは、証明として形にできるものは必ず形にしておきましょう。
例えば、英語力が向上したのであれば、その証となる資格(英検やTOEICなど)を取得することです。
明確に資格という形でなくても、留学したことにより得た強みがあれば、分かりやすく説明できるように準備しましょう。
それはどのような強みで、どう仕事に活かせるのかまでストーリーを展開することが大事です。
危険なのは、漫然と「留学すればアピールポイントになる」という考えです。
そうした考えでは、留学に費やした貴重な時間とお金を無駄にしてしまいます。
目的意識を持って留学し、現地での生活と勉強を有意義なものにするためにも、留学前の英語の勉強が欠かせないのです。
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留学経験者が陥りがちな就職・転職の罠
留学経験により英語スキルに磨きがかかれば、それをアピールポイントにしたいと考えるのは自然なことでしょう。
だからといって「英語スキル」一本で、就活を乗り切ろうとするのは危険です。
企業の採用担当者は、英語が話せることよりも、得意な英語を使ってどのように貢献してもらえるのかを知りたいのです。
この視点が抜け落ちてしまうと、せっかくの英語スキルを活かせないばかりか、マイナスポイントになってしまいかねません。
また、英語を活かすことが就職の目的になってしまい、応募先企業の選択肢を狭めてしまうことにもなりやすいので注意が必要です。
まとめ
留学生活で何を得るかは、その人の目的意識の高さにより大きな差が出てきます。
- ただなんとなく現状を変えたくて留学する
- 明確な目的意識を持って留学する
両者には、帰国後の就活においても大きな開きが出てしまうでしょう。
そうした意味でも、留学前から英語を勉強しておけば、留学生活も有意義なものになります。
就活に活かせる成果も得られやすいのではないでしょうか。
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TAKASHI KAWAHARA
ワーキングホリデイの経験だけでは就活のアピール材料にならない
ワーキングホリデイを利用した海外生活を、就活のアピールに使いたいと考える人もいるでしょう。
ただ、ワーキングホリデイは、基本的に「休暇を目的としたビザ」であることを忘れてはいけません。
もちろん海外生活を経験することで、視野が広がり国際的な感覚が身につくメリットはあるでしょう。
ただ、それだけでは就活のアピール材料としては乏しく、アピールポイントにしたいのであれば、帰国後に英語力の証明となる資格を取ったり、現地でなんらかの専門スキルを身につけたり……といった実績が必要です。
ただ漠然と海外で過ごした経験だけを語っても、採用担当者には響きません。
何の目的で渡航しどのような経験から成果を得たのか、またそのスキルをどう仕事に活かしていきたいのか、ストーリーが必要になるのです。