留学をしてより深く語学の勉強をしたり、海外で経験を積むことは、自己成長につながるため、悪いことではありません。
ただ、社会人が会社を辞めて留学し、その経験を転職のアピールポイントにしたいのであれば、それなりの戦略が必要になってきます。
目的に応じた適切な留学方法を選ぶことが、その戦略の大きな部分を占めてくるでしょう。
目次
Career Study
社会人経験者の留学は転職に有利になるとは限らない
社会人経験者が「現地に行けばなんとかなる」と勢いに任せて留学するのは、帰国後の転職を視野に入れた場合、おすすめできるものではありません。
明確な目的と、留学により得た具体的な成果をアピールする戦略を練っていなければ、むしろ不利になってしまうこともあります。
たとえば、
- 留学をキャリアのブランクとして捉えられる
- 逃げとして留学を選んだのではないかと思われる
といったように、マイナスのイメージを持たれてしまう可能性もあるのです。
留学経験を転職のアドバンテージにするには、留学により何を得て、それを仕事にどのように活かせるのか、説得力のあるアピールが必要になっていきます。
そのためにも、アピールしたい強みが確実に得られる留学方法を選ぶ必要があるのです。
検討しよう!代表的な留学方法について
ひとことで留学といっても、達成したい目的に応じて様々な方法があります。
- 語学留学
- 正規留学
- 専門留学
- 海外インターンシップ
- ワーキングホリデー
なので、まずは帰国後の転職活動を視野に入れ、武器となるアピールポイントが得られる留学方法を検討していきましょう。
語学留学
語学留学は、語学力の向上を目的に現地の語学学校に入学する留学方法です。
留学期間や留学先の国の自由度が高く選択肢も豊富なため、選ぶ人が多いポピュラーな留学方法といえるでしょう。
英語力の向上を目的とした場合、アメリカやカナダ、オーストラリアやニュージーランドなどの国が主流でしたが、昨今では滞在費を抑えられるフィリピンやマルタなども人気です。
留学期間も1ヶ月~1年以上と幅広く設定できるため、目的に応じたプランの設定が可能な点も人気の理由の一つでしょう。
正規留学
正規留学とは、専門分野を学び学位を取得することを目的に、海外の大学や大学院に入学する留学方法です。
概ね3年から4年の長期留学となることや、留学する時点である程度の学力と英語力を求められるため、やや難易度の高い留学方法といえるでしょう。
海外の大学には、日本国内では学べない専門分野で世界的に実績を上げているところもあります。
そのような大学・大学院で学位を取得すれば、その分野の就職では大きなアドバンテージになるでしょう。
専門留学
専門留学は海外の専門学校に入学し、専門分野を集中して学ぶことを目的とした留学方法です。
専門分野はデザインや観光・料理・マッサージ・美容など多岐にわたります。
分野によっては日本よりかなり進んでいる国もあるため、そうした国でじっくり学ぶことで国内での転職が有利になることもあるでしょう。
留学期間は専門学校のカリキュラムに準じるため様々ですが、正規留学同様、留学期間が長期にわたることが多いため、ややハードルの高い留学方法となるでしょう。
海外インターンシップ
海外インターンシップは、海外の企業で研修生として働く留学方法です。
外国資本の企業で働くケースと、日系企業の現地法人や拠点で働くケースの2パターンに分けられます。
また、給料が発生する場合と無給の場合があり、有給の場合は就労ができるビザの取得が求められることもあります。
海外での就職を目指す人にとっては、実際に働くイメージを持てる留学方法です。
インターン先に雇用されるケースもあるなど、キャリアに直結するメリットもあります。
現地でしっかり従事できるよう、留学時点でビジネスレベルの語学力を習得しておくことが望ましいでしょう。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、特に目的を定めずに海外で過ごすことができる制度です。
30歳までが対象で、ワーキングホリデーのビザを取得すれば、協定を結んだ国で就学や就労など自由度の高い滞在が可能になります。
現地で就労できるため、費用を抑えた滞在ができる点は大きなメリットでしょう。
日常会話レベルの語学力の習得や海外での就労など、経験値を高め視野を広げるのには向いている留学方法といえます。
Career Study
キャリアアップするなら!目的別のおすすめ留学方法
でも、目的に応じてどの留学方法が適しているか分からないんだけど……?
とにかく語学力を活かした仕事がしたい
とにかく語学力を活かした仕事がしたい方におすすめの留学方法は、以下の通り!
<おすすめの留学方法>
- 語学留学
- ワーキングホリデー
海外拠点のある日本企業で現地の拠点とやり取りする仕事や、外国語での接客が必要なサービス業を目指す人におすすめです。
専門用語が頻出する高度な語学スキルは求められませんが、仕事で使えるレベルの語学力を身につけたい場合に適した留学方法といえるでしょう。
外資系企業や海外の企業で働きたい
外資系企業や海外の企業で働きたい方におすすめの留学方法は、以下の通り!
<おすすめの留学方法>
- インターンシップ留学
外資系企業や海外企業の就職では、高度で専門性の高いビジネスレベルの語学力に加えて、実践的なビジネススキルがセットで求められます。
外資系企業や海外企業の就職を目指す人にとっては、ビジネスの実践の場で経験を積めるインターンシップ留学は最適な留学方法といえるでしょう。
実践の場であるため、ビジネスレベルの語学力を身につけてから臨むことをおすすめします。
専門分野を極めて第一人者として活躍したい
専門分野を極めて第一人者として活躍したい方におすすめの留学方法は、以下の通り!
<おすすめの留学方法>
- 正規留学
メーカーの研究職など、高度な専門分野の知見が求められる仕事に就きたい人におすすめです。
また海外の大学でなければ学べない分野の知見・経験を積みたい場合も、正規留学がおすすめの選択肢となります。
留学期間も長く費用も高額になりますが、学位を取得できるためその道の第一人者として活躍できる可能性が高まります。
ハードルは高いですが、リターンも大きい留学方法です。
すでに携わっている分野の経験とスキルを高めたい
すでに携わっている分野の経験とスキルを高めたい方におすすめの留学方法は、以下の通り!
<おすすめの留学方法>
- 専門留学
国内で料理・デザイン・美容といった専門分野の仕事に従事している人が、さらなるスキルアップを目指したい場合に適している留学方法です。
日本よりもレベルが高く、進んでいる分野では現地で学ぶことで最先端のスキルを身につけられます。
携わる分野において、国内でのキャリアアップを有利に展開できるでしょう。
留学経験を転職のアドバンテージにするために必要なこと
どんなことに気をつければいいの?
社会人が現職を辞めて、キャリアアップを目的に留学するのであれば、留学前の準備段階から、帰国後の転職活動をイメージしておきましょう。
留学さえすれば、キャリアが拓ける……といったことは、まずありません。
転職のアドバンテージに活かすには、以下のポイントを押さえておきましょう。
語学力のスキルを形にしておくこと
留学により語学力が向上したのであれば、必ず形にしておきましょう。
企業の採用担当者は留学経験者が応募してきた場合、ある程度の語学力はあるものと判断し、そのレベルを知りたいと考えます。
特に英語の場合TOEICのスコアなど、英語力の客観的な指標があると分かりやすいでしょう。
逆に留学していたのに客観的な英語スキルの証明がない場合は、「留学先で遊んでばかりいたのでは?」とマイナスイメージにもなりかねません。
書類選考通過率アップのためにも、資格を取得し語学力を形にしておくことをおすすめします。
留学中も就職情報を収集する
留学中は刺激的な毎日で、帰国後の転職活動のことを考えたくないかもしれませんが、それは危険な兆候です。
留学中も就職に関する情報を集める習慣をつけ、帰国後の転職に対するイメージを高めながら、常にキャリアを意識した行動をとるようにしましょう。
現在はインターネットがあるため、どの国にいても必要な情報収集は可能です。
留学中に情報収集を怠らずにいれば、帰国後すぐに就活を始められるメリットもあります。
留学で得たスキルをどのように仕事に活かすかイメージする
「語学力が向上した」「日本では身につけにくいスキルを獲得できた」など、留学によりレベルアップしたことが実感できると自信につながるものです。
それをアピールしたいと考えるのは当然です。
アピールする際に大切なことは、「そのスキルをどのように仕事に活かすか」です。
自信を持てるスキルがあることは素晴らしいですが、それを仕事にどのように活かすか、具体的にイメージできていないと、面接で採用担当者に響くアピールはできません。
転職エージェントの力を借りる
帰国後の転職で成功したいなら、留学前から転職エージェントの力を借りることをおすすめします。
- 留学前、帰国後の就活に対するイメージづくり
- 留学中の情報収集
- 留学後の実際の就職活動
いずれの局面でも、転職エージェントに相談することで、留学後のキャリアを意識した行動がとれるようになります。
情報収集のみにおいても、単独で行うよりも確実で時間もかかりません。
留学経験を上手くアピールするにはどうすればよいか、採用担当者に響く自己アピールなど、面接対策にも力を貸してくれるので積極的に利用していきましょう。
TAKASHI KAWAHARA
企業の採用担当者が選考で社会人留学経験者を見ているポイントとは?
採用担当者が期待するのは、「会社にどのような貢献をもたらすか」です。
社会人の留学経験者が応募してきた場合、前職の経験から得たスキルに加え、留学により得た強みをどのように仕事に活かしていくつもりなのかを知りたいと考えています。
「留学により英語力が向上しました!」というアピールだけでは採用担当者は「それで?」となってしまい、良い印象を与えられません。
向上した英語力を使い、どのように仕事に活かす(会社に貢献する)のかまで、セットで語る必要があるのです。
Career Study
まとめ
社会人がキャリアアップのために留学という手段を選ぶことは、素晴らしいことです。
国内では得られない経験をすることで、新たな自分のキャリアの可能性に気がつくこともあるでしょう。
ただし、漠然と留学するだけでは、キャリアアップにつながらないことも事実です。
退職や休職などをして留学をするのですから、それに見合うリターンは確実に得るべきでしょう。
確実に豊かなキャリアにつなげるためには自身の描きたいキャリアを明確にし、それを実現できる留学方法を選択する必要があるのです。
留学をキャリアアップにつなげたいと考えているのであれば、ぜひUZUZにご相談ください。
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TAKASHI KAWAHARA
ワーキングホリデーは休暇のための制度であることを忘れないように!
そもそもワーキングホリデーは、休暇を目的とした制度であることから、就活・転職のアドバンテージにはなりにくいことは理解しておきましょう。
特に外資系企業に就職を目指す場合などは、実務力やビジネスレベルの英語が必要とされるためアドバンテージにはなりにくいでしょう。
とはいえ、海外での就労体験は語学力や国際感覚を養う、実践的な学びの機会であり無意味なものではありません。
滞在中の経験で得た学びや、スキルを仕事にどのように活かしていけるか、魅力的に語れるのであれば、十分にアピールポイントに使えます。