留学することで就職や転職は有利になるのかなあ?
しかし、留学すれば即、就活が有利に進められるというわけではなさそうです。
学生のうちに、あるいは社会に出てから自己成長のために留学を決断する人もいるでしょう。
せっかく費用と時間をかけて留学するのですから、その後のキャリアにはプラスになってほしいものです。
この記事では、まず留学のメリットとデメリットを確認し、その後の就活を有利に展開するコツを解説します。
目次
Career Study
留学経験者はどのような感想を持っているのか?
まずは、留学して良かったと感じている人の割合です。
留学後の感想 | 割合 |
---|---|
大変良かった | 77.3% |
良かった | 19.5% |
どちらとも言えない | 2.4% |
良くなかった | 0.5% |
まったく良くなかった | 0.3% |
引用:株式会社DISCO「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況2024年度調査結果」
「大変良かった」「良かった」を合わせると、96.8%と留学そのものに満足している人が圧倒的に多いことが分かります。
反対に、マイナスの感想を持つ人は1%にも満たないようです。
次に、留学して良かった(メリット)と感じていることを見てみましょう。
留学して良かったこと(メリット) | 割合 |
---|---|
語学力の向上 | 81.0% |
異文化対応力の向上 | 74.7% |
国際理解を深め価値観が変わった | 62.9% |
精神的にタフになった(度胸がついた) | 61.7% |
日本の良さを再認識できた | 60.5% |
自分に自信がついた | 57.3% |
幅広い人脈の形成 | 51.5% |
経歴・学歴に箔がついた | 34.0% |
高いレベルの専門分野の研究ができた | 27.5% |
リーダーシップの向上 | 27.0% |
就職活動に有利になった | 23.1% |
その他 | 0.7% |
特になし | 0.3% |
引用:株式会社DISCO「海外留学生のキャリア意識と就職活動状況2024年度調査結果」
語学力や異文化対応力など、具体的なスキル向上をメリットとして挙げている人が多い印象です。
次いで、自信や度胸がつくといった、内面的変化を感じている人が多いことが分かります。
こうした点を上手く活かしていけば、就活を有利に展開できるかもしれません。
留学により得られるメリット5つ
留学により得られるメリットは以下に挙げる5つです。
- 活きた英語が身につく
- 異文化を理解し国際的な感覚が得られる
- 海外の友人ができネットワークが広がる
- 自信と度胸が身につき主体的な行動がとれるようになる
- 自分と向き合う良い機会になる
活きた英語が身につく
英語圏の国に留学すれば、当然周囲の人々は英語で話しています。
日本にいる時よりも圧倒的に英語に触れる機会が増えるため、飛躍的な英語スキルの向上が見込まれるでしょう。
しかも、日本で語学として学ぶ英語とは違い、現地のネイティブが使う独特の言い回しやスラングなど実践的な英語が身につきます。
語学ではなく、コミュニケーション手段としての活きた英語が身につくことが大きなメリットです。
異文化を理解し国際的な感覚が得られる
現地の人や他国の留学生との交流は、日本にいてはなかなか経験できません。
海外生活を経験することにより、異国の文化に触れ人々との交流を通じて、国際感覚が身についていきます。
このことは、視野を大きく広げることにつながるでしょう。
日本的な常識にとらわれず、多面的なものの見方ができるようになるのです。
多様な価値観を受容できる「懐の広さ」につながるため、帰国後の仕事や人間関係にもプラスに作用します。
海外の友人ができネットワークが広がる
留学をすれば、日本では知り合うことのない人たちと出会えます。
外国人の友達・知り合いが多くできることは、その後の人生を豊かなものにしてくれるでしょう。
語学学校の学友や教師、アルバイト先の上司やホームステイ先の家族など、今は帰国後もSNSで簡単につながりを保つことができます。
お互いの国を行き来するようになれば、長いつきあいができる友人になるでしょう。
もしかしたら将来、そのつきあいが仕事上の人脈につながるかもしれません。
自信と度胸が身につき積極的・主体的な行動がとれるようになる
外国という未知の環境に1人で飛び込むのは、それだけでも相当な勇気と決断が必要です。
留学先では、ちょっとした困りごとやトラブルに遭遇することもあるでしょう。
そうした出来事に自分の力だけで対処し乗り越えることで、自分に自信がついていきます。
このような経験の積み重ねにより、「問題解決力」が向上していくのです。
「少々のことは大丈夫」と度胸がつくため、自然と積極的・主体的な行動がとれるようになっていくでしょう。
自分と向き合う良い機会になる
海外では日本と違い、「あなたはどう思ってるの?」「あなたの意見は?」と、自分の意見をはっきり求められる機会が多くなります。
それにきちんと答えていかなければ、対等な人間関係を築くことが難しい場面も出てくるでしょう。
自分の意見をはっきり言うには、自身の考えを明確に言語化することが必要です。
この習慣がつくことにより、自分を見つめなおすことも多くなるでしょう。
こうした多くの刺激は、自身のキャリアについて考え直す機会になり、深い自己分析につながるのです。
Career Study
留学のデメリット3つ
じゃあ、反対にデメリットはないの?
当然、メリットばかりではなく、デメリットにも目を向ける必要があります。
考えられる主なデメリットは以下の3つです。
- それなりの費用と時間がかかる
- 言葉が通じずストレスや孤独を感じてしまう
- 体調を崩してしまう
詳しく解説していきます。
それなりの費用と時間がかかる
留学するには、必要なお金と時間を確保しなくてはなりません。
より充実した成果を求めるなら短期留学ではなく、最低でも1年くらいの滞在を計画したいものです。
大学生であれば休学、社会人なら今の会社を退職して時間を作らなくてはならないでしょう。
さらに渡航費用に加え、長期の滞在となると生活費や学費もそれなりの金額を用意する必要があります。
こうした費用と時間を捻出するのは、並大抵のことではありません。
言葉が通じずストレスや孤独を感じてしまう
いざ留学したものの、思った以上に言葉が通じず、ショックを受けることも多いようです。
慣れるまで根気強く我慢できれば良いのでしょうが、最初の段階で心が折れてしまうことも。
日常の会話がままならないことは、想像以上のストレスです。
当然、友達もできず、学校の授業にもついていけません。
孤独と不安を抱え宿舎に引きこもったり、留学を中断して帰国してしまう人もいるようです。
体調を崩してしまう
慣れない環境での生活により、体調を崩してしまうことも考えられます。
留学先の国の気候や食事がどうしても自分の体質と合わない場合、このリスクはかなり高くなるでしょう。
特に食事面は重要です。
食生活が大幅に変わることで、急激に太ったり痩せたり、それに伴う体調に変化が起きやすいためです。
勉強に支障が出るような体調悪化に陥らないように、自己管理を徹底しなくてはなりません。
留学に向いている人・向いていない人の特徴
留学を考える際は、自分がどちらのタイプか、しっかり見極めましょう。
留学で成果を上げる人と、そうでない人にはそれぞれ明確な特徴があるようです。
ここでは、その特徴を確認していきます。
留学に向いている人の特徴
留学で大きな成果を得て帰国する人の特徴は、まず1人でコツコツと努力ができる点です。
こうした人は、海外で1人でも生活していても、留学の目的を見失わず、努力し続けるため成果を残せます。
また、外国語のコミュニケーションに躊躇なくチャレンジできる人も留学に向いています。
現地の人や他国の留学生に物おじせず、積極的に話しかけ、楽しく過ごせるでしょう。
現地での人との関わりから、国の違いによる様々な価値観を知ることもあります。
こうした異文化や異なる価値観を、まずは受け入れ興味を持てる人も留学には向いているでしょう。
留学に向いていない人の特徴
留学に向いていない、成果を出しにくい人の特徴は、明確な目的がなく「なんとなく留学」してしまう点にあります。
目的意識が低ければ、勉強に身が入らず、留学生活を無駄に過ごしてしまうからです。
英語をはじめとした外国語が苦手な人、外国語を学びたい意欲の低い人も同様でしょう。
また、日本での生活にこだわり、食をはじめ生活習慣を変えることに抵抗がある人や外国人とのコミュニケーションに、苦手意識がある人は留学するかどうか今一度検討してみてもよいかもしれません。
Career Study
留学経験を就活のアドバンテージにするには
留学生活を自身の強みとしてアピールするのであれば、明確にアピールできる成果がなくては厳しいかもしれません。
留学経験者に興味を示す企業は確かに多いです。
しかし、他の応募者と比較して、圧倒的に有利になるわけではないことは理解しておく必要があります。
留学生活を就活のアドバンテージにするには、以下のことを心がけたり実践したりするとよいでしょう。
留学の目的と目標を明確にする
留学することにより身につけたいスキル、自分がどのように成長したいか、目的と目標を明確にしましょう。
これは、留学を計画する段階から、しっかりと言語化しておく必要があります。
例えば、留学の目的が英語力の向上であれば、どの程度のレベルを目指すのか。
その成果として、帰国後のTOEICなどの英語資格で〇〇点以上を取る、というように数値化した目標を定めます。
このように、目的と目標を明確にしてから必要な期間や学校を決めると、ミスマッチが生じません。
明確な目的と目標があれば留学中も時間を無駄にすることなく、勉強に励むようになります。
就職エージェントを活用する
留学前から帰国後の就活を見据えて、就職エージェントに相談するのも良い方法です。
情報が豊富なエージェントに相談すれば、留学経験者を積極採用している企業を教えてくれます。
また、語学を活かした働き方や仕事選びにも、適切なアドバイスがもらえるでしょう。
帰国後の就活においても、留学経験を魅力的にアピールできる面接対策もしてくれます。
なにより、留学前に就職エージェントに相談することで、帰国後のキャリアを意識した留学生活を送れるようになります。
目的・目標を見失わず、コツコツと努力を重ねる原動力となるでしょう。
TAKASHI KAWAHARA
英語力だけを軸に就活をするのは危険
留学により高い英語力を身につけると、やはり強くアピールしたくなってしまいます。
しかし、企業の採用担当者にとって英語が得意な求職者はそれほど珍しくありません。
それよりも企業の担当者は、得意な英語を使ってどのように仕事に貢献してくれるのかに興味があります。
その点を踏まえて、魅力的な自己アピールを練り上げるようにしましょう。
また、「英語」だけに固執すると応募先企業の選択肢を狭めてしまい、自分の英語以外の可能性に気がつけなくなってしまうため、あくまでのスキルの一つとして捉えることをおすすめします。
まとめ
留学のメリットは、語学力の向上やスキルアップだけではなく、自信と度胸がつくなどの精神的な成長が得られることです。
反面、費用がかかることをはじめ、現地での生活への不安などのデメリットもあります。
しかし、せっかくお金と時間を費やして留学するのであれば、十分なメリットを得てその後のキャリアに活かしたいものです。
そのためには、留学経験を自分の強みとして、魅力的にアピールする必要があります。
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TAKASHI KAWAHARA
留学によりキャリアのブランクがデメリットになることもある
気をつけなくてはならないのは、留学を空白期間と見られないようにすることです。
1年単位の長期留学であれば、学生の場合休学(留年)することになりますし、社会人の場合は職歴に空白期間が生まれることになります。
企業によっては、留学をキャリアブランクとして、マイナスの見方をするところもあるようです。
そのため留学先では、こうした見方を覆すだけのスキルを身につけたり、アピールポイントとなる経験を意識的に積んだりするようにしましょう。