休職して留学って可能なのかな?やっぱり、一度退職しないとダメなの?
社会人として会社に勤務している立場であっても、海外留学により専門スキルを磨きたい、語学力を高めたいと考える方もいます。
会社の制度として、留学のための休職を認めている企業もあるようですが、多数派ではないのが現状です。
休職が認められる場合でも、自己都合による休職になり、多くは短期留学をすることになるでしょう。
1年単位の長期留学や、休職が認められない場合、現実的には留学のために退職することになってしまいます。
いずれにしても、人生を左右する大きな決断です。
留学後のキャリアを見据えた上で、慎重に考えた方がよいでしょう。
目次
Career Study
社会人が留学を検討する主な理由は?
社会人留学の目的には、その人のキャリアや働き方についての考え方が、大きく反映されるものです。
概ね、以下の3つに分けられます。
- さらなるキャリアアップを目指す
- 海外生活を楽しみリフレッシュする
- インターンシップで海外の就職を目指す
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
さらなるキャリアアップを目指す
外資系企業への転職など、自身の将来のキャリアを見据えて留学を考えるパターンです。
英語力を向上させ海外でも通用するビジネススキルを磨くことや、多国籍な環境に身を置くことにより経験値を高めることが主な目的となるでしょう。
有給休暇や会社の休暇制度を使い短期間の留学を経験し、自信がついたところで転職する人も多いようです。
また、20代の若年層においては時間的な余裕があるため、いったん退職して海外の大学や大学院への入学を目指す人もいます。
その場合は期間や費用の面でハードルは高くなりますが、海外の大学を卒業できれば、その後のキャリアの選択肢は大きく開けていくでしょう。
海外生活を楽しみリフレッシュする
日常の仕事から離れ、リフレッシュを目的に留学する人もいます。
観光旅行であれば、同行する友人と休みを合わせるなど難しい面もありますが、留学であれば単独で参加でき手続きも簡単です。
語学研修と各種アクティビティを組み合わせた留学プランを提供する会社もあり、そうしたプランに1人で参加するのもよいでしょう。
多くは短期の留学となるでしょうが、留学仲間や現地の人と交流するなかで、異文化に触れることは大きな刺激になります。
観光旅行とは一味違ったリフレッシュができるのではないでしょうか。
インターンシップで海外の就職を目指す
海外で働きたい希望が強い人の中には、インターンシップ留学をする人もいます。
インターンシップ留学とは、研修生として海外企業に一定期間入社し、就業体験を積むものです。
インターンシップ留学は海外就職を目指す際の、手頃なきっかけとして関心が高まっていますが、いきなり海外企業で働くことに抵抗を感じる人もいるでしょう。
そうした人には、インターンシップを提供する語学学校に入学することをおすすめします。
近年、こうした語学学校は増えており、入学すればさほど高いハードルを超えることなくインターンシップを実現できます。
ビジネス英語を重点的に学べる環境ですし、英文履歴書の作成などのサポートを受けられることもあるようです。
社会人留学は休職と退職どちらの選択がベストか?
社会人の留学は、今の仕事をいったん中断することになります。
休職が認められても、一定期間職場を離れることになり、同僚に負担をかけることになります。
休職が認められなければ、退職を考えなくてはならなくなるでしょう。
いずれにしても、人生における大きな選択です。
それぞれのメリット・デメリットを確認して、自身の留学の目的、将来のキャリアを考えて最良の選択をしましょう。
Career Study
休職して留学するメリット・デメリット
休職して留学するメリットは、会社に籍を残しておける点です。
正社員としての立場を残しておけることは、留学後の収入面の不安を大きく軽減してくれるでしょう。
反対に籍を残しておくことで、留学中でも常に会社のことが頭から離れないことをデメリットと捉える人もいます。
休職による留学のメリット・デメリットを以下で解説します。
メリット1.帰国後すぐに仕事に復帰できる
帰国後の仕事を心配しなくてよいのが、休職による留学の大きなメリットです。
会社に籍を残しているため、留学期間が終了すればすぐに仕事に戻ることができ、収入を確保できます。
退職をして留学した場合は、帰国後に再就職できるのか常に不安がつきまとうでしょう。
もしかしたら就職が決まらず、フリーター生活を送ることになってしまうかもしれません。
その点、休職による留学であれば、少なくとも帰国後に正社員としての立場は確保されているため、経済的にも安定し不安なく留学できます。
メリット2.期間が決まっていることにより勉強に集中できる
1ヶ月や3ヶ月など、明確に休職期間が決まっているため、短期間で集中して勉強できる点がメリットです。
留学期間を決めていない場合、現地でだらだらと過ごしてしまい、目立った成果を得られないこともあります。
また、休職による留学であれば、会社に戻ることが前提であるため、何らかの明確な成果を得なくてはという適度なプレッシャーになるでしょう。
短期集中で勉強し、成果を出すには適した環境といえます。
デメリット1.帰国後すぐに仕事に復帰しなくてはならない
帰国後に仕事があることはメリットですが、裏を返せば帰国後すぐに仕事に復帰しなくてはならないことでもあります。
もしかしたら、留学中に仕事に対する価値観や、今後のキャリアに関する考え方に変化が生じているかもしれません。
しかし、すぐに職場に復帰する以上、そうしたことをじっくり考える時間はなかなか作れません。
留学中に得た経験で「自分がやりたいこと」「進みたい道」が見つかったとしても、休職を許可してくれた会社を、すぐに辞めることは心情的に難しくなります。
デメリット2.引継ぎや社内手続きが煩雑になる
休職による留学期間中、自身が担当していた業務は周囲の同僚がカバーすることになります。
担当業務の振り分けや引継ぎは、丁寧に行いましょう。
いい加減にやってしまうと、戻った時に立場を悪くしてしまいます。
また、帰国後も確実に従来と同じ業務に就けるかどうかは分かりません。
会社にいない間に社内の状況が変化するため、帰国後に部署や業務が変わる可能性も覚悟しておきましょう。
くわえて社会保険や会社の福利厚生など、各種手続きは間違いなく行い、迷惑をかけないようにすることも大事です。
退職して留学するメリット・デメリット
退職による留学は、会社員(正社員)としての安定した立場を手放すことになってしまいます。
帰国後の金銭面や、再就職に対する不安が大きくなることは避けられません。
しかし、辞めてしまえば、留学中に会社のことを気にする必要はなくなります。
留学の目的が明確で目指したい目標がある場合は、退路を断つことで目標達成に集中できるため、メリットと感じられることもあるでしょう。
メリット1.期間を気にせず長期の留学が可能になる
休職による留学の場合は、どうしても月単位の短期留学になってしまいます。
短期留学では、十分なスキルの向上が見込めないことも多く、短期間で成果を出さなければという焦りも生まれがちです。
しかし、退職してしまえば留学期間を自由に設定できます。
1年、2年と年単位で、じっくり腰を据えて勉強できる点は、退職して留学する大きなメリットです。
年単位での留学が可能になれば、海外の大学や大学院に進学するといった選択もできます。
専門分野を本格的に学べる機会を得られるため、その後のキャリアアップも現実的なものとなるでしょう。
メリット2.ワーキングホリデーが可能になる
退職して留学するメリットのもう1つは、留学先で就労ができる点です。
18歳~30歳までの若年者であれば、ワーキングホリデーによる渡航が可能になるため、留学先での活動に自由度が増します。
ワーキングホリデーという在留資格は、本来「休暇目的」のものであるため、在職中に会社が認める可能性は限りなく低いものです。
また、会社に籍を残していた場合、兼業を禁止する会社では現地での就労が認められない可能性が高いでしょう。
会社を退職してしまえば、こうした制限はすべて解消され、自由な留学生活を送ることができます。
デメリット1.帰国後に転職活動をしなくてはならない
退職して留学する最大のデメリットは、帰国後の正社員としての立場が保障されないことです。
帰国後に転職活動をして、再就職先を見つけなくてはなりません。
留学中も帰国後の転職活動が気になって、勉強に集中できなくなる人もいるほどです。
留学の目的や目標が明確で、将来のキャリアに活かせる成果を獲得できれば、転職活動も有利に展開できるでしょう。
もし、そうでない場合は、就職活動に苦戦することは目に見えています。
「結局フリーターになってしまう」といった可能性も十分にあり得ることです。
デメリット2.職歴に空白期間が生じる
もう1つのデメリットは、留学がキャリアブランクになってしまう点です。
退職して数年間の留学をした場合、職歴に空白期間が生まれてしまいます。
転職活動における面接では、必ず理由を確認されると思っておきましょう。
留学を決断した理由や、どのような成果を得られたかなど、細かく聞かれる可能性は高いです。
留学により得られたスキルや仕事に活かせる経験を、魅力的に語ることができればプラスに作用しますが、そうでない場合はよい評価は得られません。
また、理由に関わらず、ブランクそのものをマイナス評価とする企業が、少なからずあることを覚えておきましょう。
Career Study
社会人留学はその後のキャリアをよく考えて決断すること
留学による休職制度を設けている企業は、まだまだ少数派です。
在職中に休職して留学を決断した場合、前例がなければ会社との交渉が必要になることもあるでしょう。
留学後も、同じ会社で働きたい気持ちが強い場合、留学により自身が会社にどのようなメリットをもたらすか、説得力をもった説明が必要になります。
休職を認められた場合も、会社や周囲の同僚への配慮も忘れてはいけません。
退職して留学する場合は、その後のキャリアプランと留学の目的を確実にリンクさせることが重要です。
留学により高めたスキルが、自分の圧倒的な強みとなるよう留学先や期間を設定しましょう。
ただ漠然と「海外に行きたい」「自分のスキル」を磨きたいというだけでは、その後のキャリア形成を優位に進めることはできません。
休職するにしろ、退職するにしろ、かなりの覚悟と計画性をもって決断することが大切です。
TAKASHI KAWAHARA
留学中にキャリアに対する考え方が変わることもある
海外での留学生活は、人の価値観を大きく変えることもあります。
留学生仲間や現地で関わる人たちから大きな刺激を受け、キャリアに対する考え方が大きく変化することもあるでしょう。
たとえば留学当初は現職に復職してスキルを活かしたいと考えていても、現地での経験を経て、海外での就職を目指したいと考えが変わることもあるのです。
また留学生活を送るうちに、本当に自分が「やりたいこと」「目指したいキャリア」が見つかるかもしれません。
こうした考え方の変化も視野に入れて、留学を決断することが大切です。
留学前に転職エージェントに相談するのもアリ!
社会人留学は、その後のキャリアとセットで考えることが重要です。
留学の検討段階から、帰国後のキャリアを考えて転職エージェントに相談するのもよいでしょう。
帰国後の転職活動を具体的にイメージして留学すれば、就職を意識した行動により成果も出やすくなります。
また留学後の転職活動では、留学経験を高く評価してくれる企業の情報提供をしてもらい、留学経験を活かした転職ができるよう支援してもらいましょう。
もし転職は考えておらず休職して留学する場合でも、会社との交渉における注意点をアドバイスしてもらえる可能性もあるので、転職エージェントに一度相談してみるのはおすすめです。
少なくとも、留学後のキャリアプランについては明確になるはずですよ。
Career Study
まとめ
社会人の留学は、その人のキャリアにおける大きな決断となります。
「休職による留学」「退職による留学」いずれにしても、その後のキャリアにプラスにならなければ留学する意味がありません。
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TAKASHI KAWAHARA
休職中の社会保険料の負担はどうなる?
通常、在職中の社会保険料は、会社と労働者が折半して負担しています。
留学中は自己都合の休職となるため、社会保険料の取り扱いは、会社によってルールが定められていることがほとんどでしょう。
従来、休職期間中は労務の提供がないため、社会保険の対象から外すという考え方もありました。
しかし、会社負担分はそのままで、個人負担分の保険料を徴収するのが現実的な運用です。
ただ海外ビジネスに力を入れており社員の留学を推奨しているような企業では、個人負担分を会社が補助するケースも、稀にですがあるようです。
もし明確にルール化されていない場合は、交渉の余地はあるかもしれません。
とはいえ前例がない企業では、特例で休職による留学を認めるケースが多いため、あまり強気な交渉はしない方がよいかもしれません。