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キャリスタ -Career Study-海外留学や海外キャリアについて解説

フィリピン(マニラ)で働くS.Oさん(30代前半)

フィリピン・マニラの人材紹介会社で働くS.Oさんにインタビュー。海外挑戦の背景や現地での働き方、キャリア形成のポイントについて話を伺いました。

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フィリピン(マニラ)で働くS.Oさん(30代前半)

S.Oさんプロフィール


大学を卒業後、国内の大手人材紹介会社で求人広告営業を担当後、同社の新サービス立ち上げに携わり、20名規模の営業組織のマネージャーを務める。


その後、越境プラットフォーム企業へ転職し、日本企業の海外展開支援に従事。

2023年に海外就職を実現し、フィリピンの人材紹介会社に転職。

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Q. フィリピンでの現在のお仕事について教えてください。

現在はフィリピンの人材紹介会社で働いています。

主にフィリピンに拠点を置く日系企業の採用支援を担当していて、企業が求める日本人やフィリピン人の人材を見つけ、採用プロセス全体をサポートするのが私の仕事です。

フィリピンのような成長市場で日本企業が成功するためには、優秀な現地スタッフの確保が不可欠なので、人材面から日本企業のビジネスをサポートできることにやりがいを感じています。

Q.海外で働きたいと思ったきっかけは?

私が海外転職に興味を持った最初のきっかけは、学生時代に経験したシンガポールでのボランティアです。

そこで日本企業と海外バイヤーとの商談会のお手伝いをした際、優れた日本の商品が海外でうまく売れていない現状を目の当たりにしたんです。

この経験から「日本企業の海外展開をマーケティング面から支えたい」という想いが芽生え、これが私のキャリアの軸になりました。

その後、越境プラットフォーム企業で働き、国内から海外市場へのアドバイスをしていたのですが、現地の実情を知らずに支援することの限界を感じるようになってきました。

それで「現地のマーケットを知った上で日系企業にアドバイスできる立場になりたい」「英語でビジネスレベルの商談ができるようになりたい」という2つの目標が見え、海外転職を決意しました。

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Q.海外転職を検討する際、どの国を候補として考えていましたか?

東南アジア全域を視野に入れていましたね。

人材紹介会社に片っ端から連絡をとり、自分の条件に合う国を見つけるために面談を重ねました。

当時の私の英語力はTOEIC550点程度。

シンガポールは「英語力と経験が足りない」と言われ候補から外れました。

ですが、タイやベトナム、マレーシア、フィリピンは英語力の要求が比較的厳しくないので、チャレンジできそうだと言われました。

Q.数ある候補国の中でフィリピンを選んだ理由は?

最終的にフィリピンを選んだ理由は、大きく2つあります。

まず1つ目は英語力の向上です。

フィリピンはアメリカ英語が広く使われ、日常的に英語を使う環境が整っています。

なので、本格的に英語力を鍛えられると感じました。

またベトナムやマレーシアも検討しましたが、これらの国はイギリス英語の影響が強いので、アメリカ英語を学びたい私には、フィリピンがベストでした。

また2つ目は市場の魅力です。

私は成熟したマーケットよりも、発展途上の市場に飛び込んで、自分の力で何かを成し遂げたいと思っていました。

フィリピンのビジネス環境はまだ成長段階にあり、ベンチャー精神が求められる部分が多いと感じたので、そこで挑戦できるのが面白そうだと思ったんです。

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Q.海外就職活動から内定までについて教えて下さい。

私の海外就職活動は約1ヶ月半と、比較的短期間のほうだと思います。

これには理由がありまして、フィリピンでの語学留学中から就職準備を始めていたのが大きかったと思います。

ケソンの日系語学学校で2ヶ月間留学していたんですが、1ヶ月ほど経った時点で「実際に働きながら英語を学んだ方が効果的かも」と考えるようになって。

留学中に知り合った方々に企業を紹介してもらったり、「東南アジア転職」というキーワードで検索して見つけた人材紹介会社に積極的にコンタクトを取ったりしました。

現地ネットワークとエージェントの両方を活用したことで、短期間で海外転職が実現できたんだと思います。

Q.なぜ現在の会社を選びましたか?決め手は何でしたか?

最終的に複数の内定をいただいた中から、今の会社を選んだのは、キャリアビジョンとの整合性や企業文化、将来性を考慮してのことでした。

私がもともと持っていた「日本企業の海外展開をマーケティング面から支えたい」という思いを実現するために、まずは日本企業の海外展開を間近で見て学べる仕事につきたいと考えました。

そのうえで、人材業界であれば、これまでの自身の経験を活かして企業の人材面での支援ができるだけでなく、あらゆる業種の企業のビジネス展開を見ることができると考え、この業界を選びました。

そして会社選びでは、自分が会社の中心として働け、物事を変えていけるような環境を重視しました。

また、週末に社員同士で交流するような家族的な文化よりも、ビジネスライクな組織風土の方が自分に適していると考え、それも選択の重要な要素となりました。

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Q.フィリピンで働いてみて、日本との働き方や企業文化の違いは感じましたか?

フィリピンに来て最も印象的だったのは、朝早く始業し、夕方には帰宅する文化です。

私の勤務先は朝8時に始業し、夕方17時30分には終業します。

17時30分になると、ほとんどの社員がオフィスを退出します。

これには2つ理由があって、1つは家族を大切にする文化。

もう1つは交通事情です。

インフラが日本ほど整備されていないので渋滞が頻繁に発生し、それを避けるために早めの始業・終業が一般的なんです。

最初は戸惑いましたが、今では「だらだら残業するより、メリハリをつけて成果を出す」という働き方の方が良いと感じています。

Q.フィリピンに住んでみて適応するのに苦労したことはありますか?

最も苦労したのは食生活です。

フィリピンに来て3日目に食当たりで体調を崩してしまい、しばらく胃腸の調子に悩まされました。

現地の食事、特に外食は揚げ物が多く、体に合わないことが多かったので、今は自炊を中心にしています。

調味料は日本から持参していますが、マニラには日本食材を取り扱うスーパーも多いので、意外と困りません。

またローカルマーケットでは新鮮な野菜やお肉をリーズナブルに買えるので、今は節約しながらも健康的な食生活が送れています。

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Q. フィリピンで働くメリットは何だと思いますか?

フィリピンで働くメリットは主に3つあると感じています。

まず、英語力に自信がなくても働ける環境が整っていること。

フィリピン人はとても親切で、たとえ不完全な英語であっても、一生懸命理解しようとしてくれます。

次に、ワークライフバランスが整っていること。

残業を前提としない文化なので、オンとオフのメリハリをつけやすいんです。

そして、フィリピン人とのコミュニケーションを通じて伝える力が伸ばせること。

日本では「なんとなく空気を読む」で伝わることが、フィリピンでは通用せず、仕事がうまく進まないこともあります。

自分の意見や相手への依頼を英語で明確に伝えることが求められるので、グローバルで働くためのコミュニケーション能力が鍛えられるなと実感しています。

Q. 逆にフィリピンで働くデメリットは何だと思いますか?

デメリットとしては、先ほどお話しした食生活の違いに加えて、時間感覚の違いも挙げられます。

商談や面接でも時間通りに始まらないことが一般的で、政府機関での手続きも遅延が日常的。

最初は日本のような効率的な進行を求めてストレスを感じていましたが、フィリピンではその緩やかなペースこそが普通なんです。

現地のペースに合わせることで、むしろ余裕を持って業務に取り組めるようになりました。

時間に厳しい日本の価値観に固執せず、現地の文化や習慣を受け入れ、柔軟に対応していく姿勢が必要だと強く実感しています。

Q.休日はどのように過ごしていますか?

フィリピンで休日を楽しむ写真

休日は、主にゴルフとカフェ巡りを楽しんでいます。

マニラには雰囲気の良いお洒落なカフェが多くあるので、新しいカフェを探しては訪れることが趣味になっています。

落ち着いた空間でゆっくりと過ごすのが好きで、パソコンを開いてくつろぐ時間を大切にしています。

またゴルフも週末の楽しみのひとつです。

現地のネットワークを広げるのにも役立っていますし、仕事から離れて自然の中でリフレッシュする良い機会になっています。

仕事とプライベートの良いバランスを取りながら、充実した週末を過ごしています。

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Q.将来の目標や夢があれば教えて下さい。

私の夢は、日本企業の海外展開をさらに促進するようなビジネスを、自ら立ち上げることです。

そのために、まずは現在の仕事を通じて海外での事業立ち上げの経験を積んでいきたいと考えています。

また来年からは新しい国で事業拠点の立ち上げに関わる予定で、ゆくゆくはその拠点の責任者として成長していきたいです。

Q. これから海外転職を考えている人へアドバイスをお願いします。

これから海外転職を考えている人へのアドバイスは2つです。

まず、実際に現地に足を運んでみること。

フィリピンは日本では治安の悪さばかりが強調されがちですが、実際に来てみると意外と暮らしやすい面も多いんです。

とはいえ、食生活や生活環境など、個人によって相性が分かれる部分もあるので、仕事面だけでなく、生活全般を含めてその国で暮らせそうか、実際に感じ取ることが大切です。

もう1つは、明確な目的を持って海外就職に臨むこと。

海外では仕事面での挫折に加え、生活面でも様々な困難に直面します。

私の場合、「日本企業の海外展開を支援したい」という目標が常に自分を前に進ませてくれました。

海外就職は大きな挑戦ですが、目的をしっかり持ち、現地の文化や習慣を受け入れる柔軟さがあれば、必ず道は開けます。

ぜひ、勇気を持って新しいステップを踏み出してほしいと思います!

この記事の監修者

この記事の監修者|川原 敬史
川原 敬史
UZUZ セブ島支社長
関西大学卒業後、現パーソルキャリアに入社したのち株式会社UZUZに参画。大阪支店立ち上げ、人材紹介事業部責任者、採用責任者を経て2024年4月にフィリピンセブ島に移住。グローバルに活躍できる企業と人材の支援を行うために活動中。

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