海外と日本では仕事に対する考え方がどう違うのか、また海外でうまく仕事をするにはどうしたら良いかについて解説します。
本記事を読むと、海外で仕事をするときギャップが少なくなり、すんなりとなじめるはずですよ。
目次
Career Study
日本と海外の仕事に対する考え方の違い5選
海外は日本と文化的背景が異なるため、仕事の考え方も日本とは違いがあります。
海外で仕事をしてからトラブルにならないためにも、日本と海外の仕事に対する考え方の違いを知っておく必要があるでしょう。
ここでは以下の5つの違いについて解説します。
- 雇用スタイルの違い
- 集団主義と個人尊重の違い
- 時間に対する考え方の違い
- コミュニケーションの取り方の違い
- プライベートの時間に対する考え方の違い
1.雇用スタイルの違い
日本では、新卒採用において「総合職」枠での採用があります。
総合職は、企業が適性や潜在能力を見込んで配置し、働く中で部署や仕事内容、勤務地を変更しながら企業活動に必要なスキルを備えた人材を育成するための採用枠です。
「総合職」での採用は日本では一般的ですが、実は日本独自の「メンバーシップ型雇用」と呼ばれる雇用スタイルです。
一方、海外では募集する業務内容に適したスキルや経験を持つ人材を雇用する「ジョブ型雇用」が主流となっています。
採用時に業務内容が明確に決められ、こなす業務量や仕事内容によって給与が変わる仕組みです。
自分の担当する業務を、効率的に高いクオリティで仕上げることが大切にされています。
幅広い業務を担当してスキルを伸ばしていくよりも、自分の持っているスキルを磨き、さらに専門性を高めようとする文化が浸透しています。
2.集団主義と個人尊重の違い
日本は「集団行動」を大切にし「同じ目標をみんなで目指す」という形で企業運営が行われています。
みんなで同じ方向を目指していくことが、無駄を省き、成功へつながりやすくなるという方針で、組織全体の連携が強いのが日本企業の特徴です。
一方、海外は会社内での統率や秩序には多くの人が関心を持たず、個人の意見を重視する傾向にあります。
何事も優先順位を決めて責任を持って行動をするのは、あくまでも一個人であるという考え方です。
そのため自分のスキルと成果を積極的にアピールし、自分自身の考えを持って意見を述べたり、行動することが必要とされます。
3.時間に対する考え方の違い
日本は、時間厳守が基本の国で、約束の時間を守ることが重要視されます。
遅刻をすると「失礼だ」「ルーズだ」と判断されてしまいます。
会議やアポイントは決められた時間に始まり、スケジュール通りに仕事を進めていくことが基本です。
しかし海外では、時間を守る意識は日本ほど厳しくないことが一般的です。
会社内でのある程度の秩序は大切にされますが、それ以上に各個人の仕事の質を重要視して評価を行うため、効率的な時間管理が重視されています。
4.コミュニケーションの取り方の違い
日本は直接的な否定や反対意見を避け、和を保つために曖昧な表現を用いたりすることで、相手の感情を尊重し、対立を避けようとします。
しかしこのような日本の間接的な表現は、外国人にとって真意を理解することが難しいです。
なぜなら海外では、直接的で明確なコミュニケーションが好まれるからです。
海外では言いたいことをはっきり述べることを重視し、意見が異なっていても臆することなく自分の考えを主張し、オープンに議論することが求められます。
5.プライベートの時間に対する考え方の違い
日本人は仕事や会社に対する忠誠心が強く、全体調和の観点からも、仕事を中心に生活をする人が多い傾向にあります。
周囲の人が仕事をしていると自分だけ退社できず、無駄に残業をしてしまったり、有給休暇が取りづらいと感じたりすることもあるでしょう。
一方、海外はプライベートを犠牲にしてまで働かないという考え方を持っています。
有給休暇なども権利としてしっかり使い、プライベートも充実させながら、きちんと成果を上げていくという働き方が一般的です。
外国人から学びたいビジネススキル
外国人と日本人とでは、文化が違うため、働き方も違うのは当然と言えるでしょう。
日本人の几帳面なところや、丁寧な仕事ぶり、おもてなしを重んじる精神はとても大切なことです。
しかし、外国人の仕事に対する姿勢にも学ぶべきことが実際に多くあります。
企業や業種によって一概に海外の働き方が真似できるというわけではありませんが、ここでは外国人から学びたいビジネススキルを2つ解説します。
- 業務効率優先の考え方
- 提案や議論を積極的にする考え方
- 高い交渉力やプレゼンテーション力
- 周囲を味方につけるリーダーシップ
- 多様性を受け入れる柔軟な考え方
1.業務効率優先の考え方
外国人は業務効率を優先するため、無駄な動きをしません。
例えば、メールの書き方一つとっても日本人のように丁寧なあいさつから始めることなく、要件のみピンポイントで伝えます。
取引において必要とされる見積もりや値段交渉においても、希望する価格で納得してもらえない場合は、無駄に追うようなことはしません。
他の人の業務を手伝うということはほとんどなく、自分の業務を確実にこなすことを優先します。
あらゆる無駄を省き、効率的に成果を上げていくという考え方は、日本でも活かせる業界・職種の人もいるでしょう。
2.提案や議論を積極的にする考え方
外国人は提案や議論がうまく、ビジネスにおいても自身が持っている考え方や意見を積極的に伝える傾向が強くあります。
日本の場合は発言すると、もめごとに発展することもあるという認識があります。
そのため、会議でも積極的な発言ができず、自分の意見を言わない人がいるまま内容が決定されるということもあるかもしれません。
決定してしまった以上、自分では納得できない方針であっても、渋々業務を行わなければならず、モチベーションが上がらないということにもつながります。
妥協せず、納得できる仕事をするためには、日本人も身に付けておくと良いスキルといえます。
3.高い交渉力やプレゼンテーション力
外国人は自分の意見を明確に伝えますが、一方的に自分の意見を押し付けるのではありません。
相手の意見にもしっかりと耳を傾け、立場を尊重しながらより良い協力ができるように交渉したり、プレゼンテーションを行います。
海外の大手IT企業などのプレゼンテーションを目にしたことがある人は多いと思いますが、ユーモアを交えながら、自信に満ち溢れた態度で聞いていてワクワクしますよね。
営業職やプロジェクトを進めている人などは、磨いておきたいスキルといえます。
4.周囲を味方につけるリーダーシップ
海外では個人の考えを重視した働き方が中心です。
しかし全ての業務をたった一人でこなしているわけではありません。
大きなミッションを達成するためには、関係部署に協力を仰いだり、外部パートナーと協力したりと周囲を巻き込む力が欠かせません。
そのために相手を尊重する態度や信頼関係を築くコミュニケーションも大切にしています。
目的達成のためにはチームのメンバーだけでなく、外部との連携も視野に入れて動くことのできるリーダーシップ力も外国から学びたいビジネススキルの一つです。
5.多様性を受け入れる柔軟な考え方
日本在住の外国人が就職したり、日本で技術を学んだ外国人が日本企業に就職したり、以前より多くの外国人が日本企業や事業所で働く姿を目にするようになりました。
しかし日本はアメリカやイギリスなどのように多民族国家とはいえず、閉鎖的な考え方もいまだに残っています。
外国人は異文化を理解し、自分と違う文化的背景を持った人々を柔軟に受け入れて理解し、価値観が違うからこそ生まれるアイデアを重視しています。
これからますます進んでいくグローバル社会において日本人が活躍するためには、国籍や文化・教育、生活習慣が違うビジネスパートナーを認め、協力することが大切です。
Career Study
考え方の違う海外でうまく仕事をする3つのポイント
- 自己主張やアピールをしっかりする
- お互いの理解を深める
- コミュニケーションを積極的にとる
それぞれのポイントについて解説します。
1.自己主張やアピールをしっかりする
日本の場合は人の態度や曖昧な表現から、その人の意図することを「察する」という文化があります。
しかし海外では人の考えを「察する」ということはないため、自分が考えていること・やりたいこと・できないことなどはっきりと伝えることが重要です。
自分の意見を積極的に伝えない人は「仕事ができない人」と思われることもあります。
自己主張をしっかりとして、自分の仕事の成果をしっかりアピールすることで、存在意義を認められ、評価につなげられるでしょう。
2.お互いの理解を深める
海外で働くとなると、同じ会社で様々な国籍の人が働いていることも多いです。
文化の違う相手のことを知って、受け入れ、理解を深めようとすることで相手を尊重し、仕事が進めやすくなります。
また相手の文化を受け入れようとする姿勢を示すことで自分自身も同僚から信頼され、受け入れられるようになるでしょう。
3.コミュニケーションを積極的にとる
海外では、基本的に個で仕事を進めていくため、自ら積極的にコミュニケーションを取り、アドバイスをもらったり、相手の考えを聞いたりすることが大切です。
メールなどで業務上の連絡を取り合うだけではなく、お互いの顔を見ながら直接話すことで親しくなることができ、さらに仕事がしやすくなるでしょう。
円滑にコミュニケーションをとるためには、英語力が必須ですので、海外で仕事をしたい人は英語力を磨いておくことをおすすめします。
TAKASHI KAWAHARA
日本人が苦手な自己主張をうまくできるようになるには
人に対する「気づかい」や「思いやり」を尊重して育ってきた日本人は自己主張が苦手な人が多いでしょう。
日本人は自己主張しすぎると「和を乱してしまうのではないか」「わがままと捉えられるのではないか」「相手を傷つけてしまうのではないか」と心配になります。
しかし海外では自己主張しなければ自分の考えていることは分かってもらえず、チャンスを失ってしまったり、正当に評価されなかったりすることになります。
自己主張は相手を打ち負かすものではなく自分の思いを伝え、仕事の成果を上げるために必要なスキルだと考え、前向きな気持ちでやってみることが大切です。
その際、相手を傷つけない言葉選びや表情・言い方に気を付けることで周りに嫌な思いをさせず自己主張をしっかりできるようになるでしょう。
まとめ
日本と海外では仕事に対する考え方が異なるため、海外で働きたいと考えている人はその違いを前もって知っておくことが大切です。
その上で海外でうまく仕事を進めていくために、必要なポイントを押さえていくことが大切です。
そうすることで海外で働き出してからのギャップやミスマッチを防ぐことができ、スムーズに馴染み、仕事を進めることができるでしょう。
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TAKASHI KAWAHARA
海外で仕事をするには柔軟性が大切!
海外で働くということは、仕事の考え方だけでなく、言語、文化、食べ物、慣習、宗教など、様々なものが異なる人たちと一緒に働くということです。
日本では当たり前のことが、海外では考えられないことだったり、逆に海外では当たり前のことが理解できないこともあるでしょう。
海外で働き始めてまだ周りの人と信頼関係が築けていない中「日本でのやり方が絶対正しい!」と決めつけて言動することは大きなリスクがあります。
海外で働くということは異なる考え方・文化・言語・慣習・宗教などへの理解が必要です。
新しい環境に対して柔軟に考え、現地の考え方に順応していくことが大切です。