総合商社も給料が高いイメージがあるから、もしかして「外資系の総合商社」ってすごく人気なんじゃない!?
日本の商社と外資系企業は密接に関係していますし、「外資系の専門商社」は確かに人気があります。
この記事では、外資系商社や外資系企業と商社の関係について解説していきます。
そもそもの「商社とは何か?」についてもお伝えするので、気になる方は確認してみてください。
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外資系企業に総合商社はない
次項でもう少し詳しく解説しますが、総合商社とは主に海外貿易による輸出入によって商品の取引を行う「商社」のうち、扱うジャンルや品物を限定しない業態を指します。
顧客からの注文があれば、そして自社の事業に関わるなら、総合的にどんな品物でも取り扱うため「総合」商社なのです。
基本的に、何でも取り扱うとそれだけ自社内の専門性やリソースが分散してしまうため、他社との競争においては不利になってしまいます。
自社の専門性を高めて、例えば「〇〇の部材ならこの商社」というように知名度を高めつつ特定のクライアントを獲得したほうが有利です。
総合商社という業態がそもそも日本特有の事情で生まれたものであるため、外資系の総合商社はないのです。
そもそも商社とは
でも、つまり「総合じゃない商社」だったら日本以外にもあるってこと?
「商社」とは主に、貿易や物流を駆使して国内外から資源・資材を集め、メーカーなどの要望に合う品物を、要望に合う量だけ提供するという業態です。
ここで扱う「資源・資材」とは、原材料や燃料、新規開発された部材など、あらゆる物的リソースのことを示しています。
このあとは、さらに詳しく「総合商社」と「専門商社」について見ていきましょう。
総合商社とは
日本の就職転職に関連した話題で「商社」と呼ばれた際には、概ね総合商社のことを指しています。
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅が5大商社と呼ばれており、さらにそれらに双日と豊田通商を加えて7大商社と呼ぶこともあります。
これらの企業がいわゆる「総合商社」と認識されています。
これまで述べてきたように、総合商社は扱う品物に専門性はなく、どんな物でも取り扱うことが特徴です。
また、企業規模が大きく社会的な影響もあり、さらには世界的な経済や治安動向にも大きく影響されるため、将来を見据えた投機的な活動も行っています。
新素材やエネルギー事業の開発などがそれに当たります。
専門商社とは
専門商社とは、例えばネジなどの特定の部材や、おおまかに「金属素材」などに焦点を絞った商社のことです。
多くの就活サイトや転職サイトでは専門商社も「商社」のカテゴリに入ってきますが、専門商社を「商社だ」と認識する機会は少ないかもしれません。
それだけ、日本における総合商社のイメージが浸透しているといえるでしょう。
ですが世界的に見ればむしろ総合商社は日本特有の珍しい業態であり、専門商社のほうが一般的です。
特定の品物に特化しているため、販路や商品の詳しさなど「扱う商品」に関するあらゆる面で専門性が高いという点が最大の特徴です。
特定分野に特化することでニッチな地位を確立する、という戦略を取ることで生き残っています。
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外資系企業とは
じゃあ次は、外資系商社について、もっと知りたいな。
外資系企業の最大の特徴は、外資(外国の資本)によって運営されていることです。
その会社に出資している外国法人や外国人が一定以上の割合であれば外資系企業となります。
そのため文化などが、我々になじみのある日本企業のものとは異なっている場合が多いのです。
- 成果主義で、年功序列の気質は薄い
- 実力により給与が上がりやすい
- 新卒一括採用など日本特有の採用習慣がない
- 比較的雇用が守られておらず、会社都合で退職させられるケースが日本より多い
外資系企業と雇用の話をするとき、「上司の一存で即日解雇される」といったネガティブなイメージがある方もいるかもしれません。
ですが外資系企業であっても、社員が所属するのが日本法人であれば、日本の労働契約法に従う必要があるため、それほど多くはないのが実情です。
とはいえ、社員が本社所属であれば日本の法律に従う必要はありません。
加えて、実は法律以上に日本的な雇用慣習によって労働者の権利が守られている場合もあります。
厳密に労働契約法に照らし合わせると問題ない行為であっても、少し労働者に不利だと感じるような処置が行われる場合もあるのです。
たとえ日本法人所属で日本の労働契約法を適用したとしても、日本の雇用慣習を汲み取らない処置がなされることで「雇用が守られていない」と感じることもあるでしょう。
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そもそも総合商社は日本の商習慣が生んだもの
何度か解説してきましたが、総合商社という業態そのものが日本の商習慣が生んだものです。
日本は島国であるため様々な資源を輸入に頼らざるを得ず、「頼めば何でも用意してくれる商社」が重宝されたのです。
加えて、戦後期の急速な経済発展により、国内で製造された良質な工業製品を安価に海外へ輸出できたことも総合商社発展の要因でした。
総合商社はメーカーとの結びつきが強く、製造業が日本国内でもかなり急激に発展した時期に、総合商社も同様に大きく成長したのです。
また、海外の多くは「他国とも地続き」であるため、自社内や自国内はおろか、資源や電気エネルギーすらも他国から買いつけることが容易でした。
すなわち中小企業単位による商取引だけでも、足りない資源を補いやすかったのです。
日本では“総合商社が発展しやすかった経緯”があり、他国では“総合商社が発展しにくかった経緯”があり、それらにより「総合商社は日本特有の業態である」という状態が生まれています。
外資系企業と商社の関わり
ここからは外資系企業と総合商社や専門商社がどのように関わっているのか、見ていきましょう。
両者の関係上やりとりは多い
総合商社であれ専門商社であれ、商社は日本国内に海外の資源・資材を持ち込みます。
日本国内に拠点がありつつ、海外にも支店や拠点を構え、人員を派遣しているのが商社です。
一方で外資系企業は、海外に本拠地がありつつ、日本にも支店や日本法人を構え、人員を日本へと派遣しています。
両者はお互いに取引先の関係になるため、商談や契約が行われるケースも多いのです。
商社なら、外資系企業のことを知る。
ビジネス上でのやりとりが多いので、それぞれを知っておいて損はありません。
お互いに転職先候補になりうる
外資系企業と商社はお互いに「取引先」となるため、商談や契約が行われるケースも多いです。
そのためお互いに知っておいて損はありません。
また、ビジネスを続けていけばだんだんとお互いの業態にも詳しくなっていくことで、近接業界への転職として以下のようなパターンもよくあります。
- 商社から外資系企業へ
- 外資系企業から商社へ
英語力や海外情勢への知識、海外との取引を行う上での商習慣や慣例の知見など、両者の間で共通して使えるノウハウはいくつもあるのです。
総合商社は狭き門であることが有名ですが、専門商社は総合商社と比較すれば就職しやすい業種です。
そのため、外資系企業から専門商社へ、さらに専門商社の経験を活かして総合商社へ転職、といったキャリアアップもできるでしょう。
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まとめ
外資系企業と商社の関係について確認してきました。
- 商社には総合商社と専門商社がある。
- 総合商社は日本特有の業態なので海外にはない。
- 外資系企業にも専門商社はある。
- 外資系企業と商社は、お互いに共通する部分があり取引も行われることが多い。
上記のようなことが分かったと思います。
いずれにせよ、簡単に就職・転職できる就職先ではない、ハイクラスな業種であることに違いはありません。
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特に外資系企業や商社など、それほど一般的な就職サイトに記載されていない慣習をもっている企業や業界を志望するなら、一度は内情を知っておいたほうがいいでしょう。
キャリア相談やどのようにキャリアプランを組むべきかを聞いてみるだけでも大丈夫ですので、まずは一度ご連絡ください。
TAKASHI KAWAHARA
商社とメーカーの違い
商社は貿易などによる取引で利益を生み出すことが主な業態であり、メーカーは製造した物を販売して利益を生み出すことが主な業態です。
ですが、この2つの業種は規模が大きくなるほど似てくるため、混同してしまいがちです。
総合商社は基本的に製造機能はもたないのですが、IT系の技術開発への投資を行った結果、IT関連の製造部門のような部署ができていることもあります。
一方で、大手メーカーが自社の調達部門で海外から資材を調達することもあり、ある意味では商社的な活動を行っていることもあります。
基本的に両者の業態は違っているものの、両方とも手広く活動しているため、結果として似てきている部分があるのも事実です。
歴史的背景や主な業態が貿易による取引なのか、製造販売なのかに違いがあると覚えておきましょう。