英会話スキルが活かせる仕事って何かあるかな。
英語の勉強が好きだったり、得意だったりする人、または海外留学の経験があるという人など、仕事を探すとき、身につけた英語力を活かせる職業に就きたいという人は多いです。
とはいっても、その仕事内容は多種多様で、仕事によって求められる英語力も異なります。
英語を使う仕事をしたいと考えるなら、自分のレベルに合った仕事を選ぶことが必要です。
ここではレベル別に英会話力が必要な仕事を紹介し、転職を成功させるためのポイントも解説します。
目次
Career Study
【レベル別】英会話力を活かせる仕事を紹介
現在、日本でもグローバルに事業を展開する企業や、多国籍の社員を抱えている企業が増えているため、今後英語力を持つ人材の需要は高くなっていくと予想されます。
英会話力、英語力が必要と言ってもどのくらいが必要なのかは職種によって様々です。
そして求人では、求める英語レベルを「日常会話レベル」「ビジネス英語レベル」としている企業も多く「一体どれくらいのレベルなんだろう」と思っている方も多いはずです。
ここではTOEICスコアとコミュニケーションレベルの相関表である「PROFICIENCY SCALE」を参考にします。
参考:「TOEIC PROFICIENCY SCALE(TOEICスコアとコミュニケーションレベルの相関表)」
TOEICレベルスコア評価
「日常会話レベル」「ビジネス英語レベル」の英語力に明確な定義はありませんが、PROFICIENCY SCALEから考えると、以下のようにいえます。
- 日常会話レベル:TOEIC470〜725点
- ビジネスレベル:730点以上(専門分野においても大きな支障なく対応できるレベルの場合)
日常的に英語を使う仕事がある企業の多くは採用時、TOEICのスコアを英語力の目安として取り入れている傾向にあるので、ここではTOEICのレベルごとに、合う職業を紹介します。
なお、あくまでも目安であるため、実際の企業によって求められる水準は異なることを前提でご確認ください。
TOEIC500点~
TOEIC500点の英会話レベルは、日常会話はもちろん、ビジネス英語も限られた範囲内では使えるでしょう。
TOEIC500点以上の英会話レベルが必要とされる仕事について紹介します。
- ホテルスタッフ
- ツアーデスク
- 空港グランドスタッフ
ホテルスタッフ
特に外国人観光客が多い土地のホテルや、外資系のホテルでは、ホテルスタッフにも日常会話程度の英語力が求められます。
ホテルスタッフの中でも高い英会話力が求められるのが、フロント業務です。
外国人が宿泊する場合は、受付や宿泊代の精算などを英会話で行わなければなりません。
ホテルによっては、TOEICの点数を採用の指標としている場合もあるので、事前に応募条件に目を通しておくと良いでしょう。
ツアーデスク
ツアーデスクとは、旅行会社にて、販売を担当しているスタッフが常駐している窓口のことです。
例えば、日本人客向けのサービスでは海外のホテルを予約したり、インバウンド客相手には英語で国内を案内したりなど、様々なシーンで英会話を使う必要があります。
空港グランドスタッフ
空港グランドスタッフは、旅客機に搭乗する人の搭乗手続きを行ったり搭乗案内をしたりするのが仕事です。
就業すれば、空港カウンターや空港ゲートが勤務場所となります。
空港グランドスタッフが英語を使うのは、外国からの乗客に対応する場合です。
乗客のニーズを正しく理解し、臨機応変に適切なサポートを英会話を使って行わなければなりません。
また、早朝、深夜の仕事も多々あるので、体力や健康な身体も必要です。
空港グランドスタッフになる場合、航空会社に就職する・グランドスタッフ業務を受託している航空関連会社に就職するといった方法があります。
採用条件に高い英語力を求める企業も多いため、難易度の高い英語資格やTOEICの高スコアがあると有利です。
TOEIC600点~
TOEIC600点の英会話レベルは、ある程度専門的なビジネス用語も英語で操ることができるでしょう。
TOEIC600点以上の英会話レベルが必要とされる仕事について紹介します。
- キャビンアテンダント
- 航空管制官
- ツアー添乗員
- 児童英語教師
キャビンアテンダント
キャビンアテンダントとは、飛行機内で乗客が安心してフライトを楽しめるよう、各種接客サービスを行う仕事です。
旅客機内で様々なサービスを提供するほか、緊急時にはトラブル対応・避難誘導も行います。
国際線の客室乗務員の場合、外国人の接客は英会話で行うことがほとんどです。
また、パイロットや同僚などとのやり取りも基本的に英語なので、高い英会話力が必須能力となります。
また、近年では国内線でも外国人旅行客の比率が高まっているので、高い英会話力がある方が仕事の幅を増やすことができるでしょう。
航空管制官
航空管制官は国家公務員で、パイロットが安心して操縦でき、事故を回避できるよう、的確な指示を出す仕事です。
交信は全て英語を使って行われ、空港のレーダー管制室で離着陸のルート指示や、地上移動の誘導などを行います。
トラブルなどが起きた時にも、冷静に英語でやり取りできる英会話力が必要とされます。
そのため、採用試験では、英語の筆記試験や英会話の面接が行われることも多いです。
ツアー添乗員
ツアーの添乗員は日本人のツアー客と海外の現地まで同行し、サポートする仕事です。
海外の旅行先でスケジュールを管理したり、現地のホテルでのチェックイン、レストランの手配、トラブルへの対応など様々な場面で英会話を使う必要があります。
児童英会話教師
児童英会話講師は、幼児から小学生までの子どもに英語を教える仕事です。
レッスンの時間帯は基本的には英会話で子ども達とコミュニケーションをとることになります。
英会話スクールで働く、児童教室で働く、個人で教室を開くといった働き方があります。
児童英会話講師の仕事に求められる英語レベルは様々で、会社によっては日常会話レベルでも十分です。
英会話力以外にも子どもが好きな気持ち、コミュニケーション能力が必要とされます。
TOEIC700点~
TOEIC700点の英会話レベルは、専門的なビジネス用語も英語でほぼ不自由なく話すことができるでしょう。
業務のほとんどを英語を使って行うことができる人に向いています。
TOEIC700点以上の英会話レベルが必要とされる仕事について紹介します。
- パイロット
- 日本語教師
- バイヤー
- 貿易事務
パイロット
旅客機の操縦を行うパイロットは、業務の大半を英語で行い、、高い英会話力も求められます。
具体的には、航空管制官との会話を英語で行ったり、海外で英語でパイロットの訓練を行ったりします。
また、パイロットは飛行機の操縦だけでなく、適切な航空ルートを選定したり、機体の整備状況を判断したりと、乗客を安全に目的地に送り届けるために多くのスキルが求められます。
日本語教師
外国人を対象に日本語を教える日本語教師の場合も、英語を使って日本語を指導することになるので、英会話を自由自在に使いこなせる力が必要でしょう。
特に、日本国外に赴任する日本語講師の場合は、日常生活の大半を英語で送る必要があります。
海外生活に対応できるように、事前に高い英会話力を身につける必要があります。
文化庁「日本語教育機関認定法について」の資料にあるように、2024年4月から日本語教師は国家資格「登録日本語教員」になることが法律で定められました。
グローバル化が進んでいる現代において、需要が高まっている職種です。
参考:文化庁「日本語教育機関認定法について」
バイヤー
バイヤーは、お店で売る商品の買付けを行う仕事です。
海外の商品を買い付ける必要がある際は、英語を使用します。
高値づかみにならないように、値引き交渉する際、英会話力は必須です。
仕事をする場所は主に小売業者や商社で、商品を店舗で売るためには欠かせない存在です。
最近は実店舗のみならず、ネット店舗も多数存在するため、活躍の場は以前より増えています。
貿易事務
貿易事務とは、海外との輸出入に関わる事務処理を行う仕事です。
輸出入には国際法や相手国の法律・日本の法律が絡むため、それぞれの法律に準拠した処理が求められます。
国際物流、貿易の会社、商社では欠かせない仕事であり、貿易書類の作成、出荷・納入の管理、出荷・輸送・通関の手配が主な業務内容となります。
貿易事務で取り扱っている書類の8〜9割は英語のため、高い英語力が必要です。
また、海外の相手先担当者とのコミュニケーションではビジネスレベルの英会話力が必要となります。
高い英語力が求められる傾向にあり、入社後も定期的に語学力の維持や向上に向けた研修が必要です。
TOEIC800点~
TOEIC800点の英会話レベルはネイティブレベルで英会話ができ、外国人と一緒に仕事をすることも不自由なくできるでしょう。
TOEIC800点以上の英会話レベルが必要とされる仕事について紹介します。
- 海外特派員
- 外資系企業
- 中学・高校英語教師
海外特派員
海外特派員とは新聞社や放送局に勤務し、海外にある支局から現地のニュースを日本へ送る仕事です。
海外に在住し英語でコミュニケーションを取りながら取材をし、ニュースを集めるため、高い英会話スキルが求められる仕事です。
特に、英語のリーディングのスキルは重要となります。
毎日膨大な量の現地の新聞を、短時間で読みこなして理解する必要があるからです。
さらに、ラジオやテレビからも情報を得る必要があるので、リスニング力も大事です。
海外特派員になるには、マスコミ関係の記者採用試験を突破して就職をする必要があります。
新聞社や放送局の国際部に所属した上で海外支局での勤務をすることになります。
外資系企業
外資系企業には、金融系・IT系・メーカー系・コンサルティング系など多様な業種があります。
日常的に、外資系企業は本社とのやり取りを英語で行ったり、外国人の同僚・上司と英語でコミュニケーションを取ったりする必要があります。
スキルや実務経験が重視される傾向にあり、英会話スキルだけで採用を勝ち取るのは困難です。
中学・高校英語教員
中学校や高等学校で英語を教える仕事です。
授業は、基本的に英語を使って進められるため、授業の進行や生徒からの質問への返答など全て英語で行う必要があります。
英語力はもちろんのこと、生徒、保護者、他の先生と信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が必要です。
また、先生という立場に立つ責任感や人柄も重視される職業です。
採用されるためには教員免許が必要になり、各地方自治体や学校法人による採用試験に合格する必要があります。
TOEIC900点~
TOEIC900点の英会話レベルは、ネイティブレベルで英会話ができ、英語のプロフェッショナルとして専門性の高い仕事をこなすことができるでしょう。
TOEIC900点以上の英会話レベルが必要とされる仕事について紹介します。
- 翻訳家
- 通訳士
- 語学系大学・専門学校教師
翻訳家
翻訳家とは、日本語から英語、英語から日本語へ言葉を翻訳する仕事です。
翻訳家といっても、小説や映画などのエンタメ作品の翻訳から、ビジネス文書の翻訳まで仕事内容は多岐にわたります。
また、それぞれの言語を直訳するだけでは真意が伝わらないことも多いので、業界やサービス・商品等の専門知識、世界各国の文化や歴史、宗教等の幅広い教養が必要になります。
海外の作家や出版社などとのコミュニケーションをとる必要もあるため、英会話を使うことも多い仕事です。
通訳者
通訳者も翻訳家と同様、日本語から英語、英語から日本語へと言葉の橋渡しを行う仕事です。
通訳が翻訳と最も違う部分は、その場で即座に訳さなければならない点が挙げられます。
そのため、相手の英語(日本語)を一度で正しく聞き取り、意図を踏まえたうえで正しく自然な日本語(英語)に訳す高い語学力が求められます。
社内会議、商談、国際会議、ニュースなどが活躍の場として挙げられます。
語学系大学・専門学校教師
語学系の専門学校や大学で英語を教える仕事です。
授業の進行、生徒の質問への返答は、全て英語で行われるため、高い英会話力が必要とされます。
業務として、指導計画の作成やテストの作成・採点なども行います。
常勤講師の場合、学校の運営業務に携わることもあります。
学生に英語を教えるだけでなく、外国人教員と指導方針について話し合うこともあります。
英会話力・英語力が活かせる仕事に転職するためのポイント
ですので、どんな準備をすればよいか、以下に説明します。
ただ漠然と英会話力を活かせる仕事がしたいと考えているだけでは、英語が必要な仕事に就くことはできません。
以下にポイントを4点解説します。
どのような英語力が必要な仕事か確認する
まずは、職業ごとにどのような英語力が必要かを確認しましょう。
職業によって必要な英語力は、英会話力、読解力、作文力とそれぞれ違います。
これらの力の中で、一部の能力のみを必要とする職業もあります。
興味がある職種について下調べを十分に行い、どのような力が必要か把握しておくことで、効率的な対策が行えるでしょう。
資格を取る
英語に関する様々な資格の中でも、本記事で仕事を選ぶ基準として使用したTOEICの受験がおすすめです。
なぜなら、ビジネス英語力をスコアで表示する英語能力テストだからです。
ビジネスシーンでは特に重視される傾向があり、多くの企業で採用時や昇進時にTOEICのスコアを参考にすることから、1度は受けてスコアを持っておくことが重要です。
外資系や専門性の高い仕事では、より高度な英語力が求められます。
一般企業で750点、外資系なら800点以上を目指すと良いです。
その他にも、英検(実用英語技能検定)、TOEFLなどの受検もおすすめです。
英検は5級から1級まで全7つの級が設定されていますが、英語を生かす仕事に就きたい場合は、最低でも2級を目標に取得しておくと良いでしょう。
ただし、英検は日本国内では知名度が高いものの、海外企業に対してはほとんどアピールにならない点には要注意です。
国外企業を目指す場合は、外務省が後援している国際連合公用語英語検定試験、通称「国連英検」を受検すると良いでしょう。
国連英検はコミュニケーション能力を重視した試験であり、国際関係にまつわる問題が出題されます。
そのため英語力だけを問う英検(実用英語技能検定)よりも全体的に問題の難易度が高い傾向にあります。
国連英検はE級から特A級までの6段階が実施されていて、英語力の証明として利用したいのであれば、B級以上を目指すことがおすすめです。
資格をもっていると、一定の英語力の証明になります。
実力を示すだけでなく、モチベーションの高さや志望動機の信憑性の高さも示せるため、おすすめの資格です。
英語の実践力を養う
英語を実際に使う経験を積み、実践力を養うことも重要です。
なぜなら、経験があれば実力をさらに高く評価される場合があるからです。
例えば、英語を使ったインターンシップ、海外留学、海外旅行、ボランティアなど、できるだけたくさんの経験を積むチャンスがあります。
また、身近に英語を話す人や、英語が母国語の方がいれば会話をする機会を作ったり、話を聞いたりすると良いかもしれません。
英語力以外のスキルも身につけておく
英語力のみならず、業種や職種に合わせたスキルや知識を身につけることも必要です。
例えば、コミュニケーション能力、情報分析力、行動力などが挙げられます。
英語力の高さを示すのは良いことですが「それしかない」と捉えられてしまうと、魅力が半減してしまいます。
英語が得意な人は世の中にたくさんいますが、就職活動はそれまで培ってきた英語力以外の力も含めて勝負することになります。
就職・転職活動に臨む際は自己分析を深く行って自分の長所を洗い出し、英語力以外の能力でアピールできる点を見つけることも必要です。
この他、外国人とコミュニケーションをとる際に共通して必要なこととして「海外の文化や習慣の知識」も挙げられます。
文化や習慣の知識がなければ、相手の発言の意図や心理を正しく受け取ることができず、コミュニケーションがうまく取れなくなる可能性があるからです。
そうすると業務にも支障をきたしてしまうことになります。
TAKASHI KAWAHARA
「英語ができる」だけではなく「英語を使って何ができるか」をアピール!
グローバル化が進む中で英語力を持った人材はますます必要とされますが、英語がただ話せるというだけでは、アピールできるスキルになりません。
大切なことは、英語を使って具体的に何ができるのかということです。
英語はあくまでも仕事をするためのツールでしかありません。
興味がある業界に合わせて、必要なスキルや知識を磨いていくことが必要とされます。
これまでの自分の経験を棚卸しして「英会話×〇〇」という組み合わせをイメージし、自分の強みについて考えてみてください。
Career Study
まとめ
紹介したように英会話力を活かした仕事といっても、初級レベルから上級レベルまで様々なものがあります。
英語力以上に要求されるのは、仕事への適性と専門知識です。
英会話力が活かせる仕事に就きたいけど、自分にはどんな職業が向いているのかわからないという場合はぜひ、私たちUZUZにご相談ください。
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TAKASHI KAWAHARA
英会話スキルが求められる求人を調べてみよう
英語が得意で、英語力を活かした仕事がしたいけど、どんな企業が募集しているのか、仕事内容は何かわからないということもあると思います。
知らないままでは悩むこともできないので、まずはどのような求人があるのかを調べてみましょう。
求人サイトなどで検索すると多くの英会話力や英語力を必要とする求人を見ることができますので、気になる仕事が見つかるかもしれません。
その上で本や求人インタビューを読んでみたり、深堀りをしてみましょう。
また、自分だけで悩んでいるのももったいないです。
英語を活かせる転職で悩んでいたり、不安を感じる場合は、転職エージェントなどに相談して、アドバイスを受けることをおすすめします。