得意な語学力を活かしたい、海外で働いて視野を広げたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
「海外で就職したいけど、どのような方法があるんだろう」
「どんな職種なら海外で就職できる?」
「どの国がいいんだろう」
海外で働いてみたいと思う人のなかには、このような疑問や不安を持っている方もいると思います。
本記事では、海外就職するための方法やおすすめの国、海外就職しやすい職種などについて詳しく解説していきます。
目次
Career Study
海外で就職するための6つの方法
「海外で働きたい!」と思っても就職に至るまでの方法が分からない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、海外就職をするための6つの方法について解説していきます。
1.海外留学して現地で就職する
語学留学後なら、語学力を実用的なレベルまで高めてから働くことができます。
また現地の大学や大学院で専門分野を学ぶ留学なら、スキルを活かしやすいので就職先も見つけやすくなるでしょう。
また留学は20代後半〜30代以降の年代であっても希望することで経験できる学びであり、その後に現地で就職できる可能性も高い傾向です。
海外就職の場合は、年齢よりも経験や実績が重視される(日本と異なり新入社員に対しても即戦力を求めている企業が多い)ので、留学を考えている方、留学に興味がある方はぜひ検討してみてください。
2.海外の現地企業に直接エントリーする
海外の企業に直接エントリーし、就職を目指していきましょう!
現地採用の場合、基本的にはビジネスレベルの語学力はもちろん、職種ごとに必要な専門スキル・知識が欠かせないのでしっかり準備して臨んでいってくださいね。
直接エントリーする方法では渡航先や渡航期間・職種などを自由に選べるため、海外就職におけるスタンダードな手段といえるでしょう。
「ここに就職したい!」という企業がある場合は、その企業の採用ホームページや求人を確認して書類などを送り、採用担当者と直接やり取りを行うことになります。
とはいえ最近では「海外求人専門の求人サイト」や「海外への就職を支援してくれる転職エージェント」などもあるので、こういったサービスを活用して現地企業の求人にエントリーするのもおすすめです。
3.海外に支社や拠点がある日系企業に就職する
海外に拠点をもつ日本企業に就職し、スキルとノウハウを磨いてから海外赴任を目指す方法です。
いわゆる海外駐在員という働き方のことで、主に日本での勤務実績がある人や語学力に長けた人が選出される場合が多くなります。
海外赴任が多いのは、海外拠点を持っていたり、取引先が海外企業だったりする業界。
大手の総合商社や大手メーカーなどが挙げられます。
4.ワーキングホリデー制度を活用する
ワーキングホリデーは、主に18〜30歳の日本人が協定を結んだ国で一定期間生活できる制度です。
ワーキングホリデービザを取得すると1年〜3年間の長期滞在をする権利と現地で働く許可を得ることができます。
ワーキングホリデー中に可能な仕事は、アルバイトやインターンシップのみ(基本的には渡航してから現地で仕事を探す流れ)。
ワーキングホリデー終了後には、帰国してから日本で就職する場合もあれば、現地就職する場合もあります。
そのまま現地就職を目指す場合は、期間中にスキルを習得できる働き先を探すと良いでしょう。
5.外資系企業に就職する
外国法人などが一定以上の出資をする日本にある企業を「外資系企業」と言います。
外資系企業に就職すれば、海外にある本社や支社に転勤する可能性があるので、海外で働けるチャンスを得られるかもしれません。
とはいえ、外資系企業でも海外への転勤がない企業もあります。
たとえば「日本法人は日本国内でのみ営業活動をする」と決めている会社であれば、海外への転勤は望めないため、企業ホームページや説明会などで詳細を把握しておきましょう。
6.国際機関に就職する
国際連合やその下部組織、専門機関などに所属して、ニューヨークやジュネーブなどにある本部や事務局、その他の国にある各専門機関などに行って仕事をする方法もあります。
ただし、いずれも高い語学力や学歴、スキルなどが必要となり、非常にハイレベルな選考となります。
海外と日本の就職活動に違いはある?
海外で就職活動を行う場合、日本の就職活動との違いを押さえておくことでスムーズに進められます。
海外と日本の就職活動ではどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。
海外の就職活動
海外では日本のような新卒採用や中途採用といった一括採用の枠がなく、基本的に条件に適した人材を一年中募集している場合がほとんどです。
そのため、研修制度も日本のようには整っていない場合が多いです。
また、日本と比べてインターンシップが重要視される傾向が強く、インターンを通じて雇用されるケースもあります。
一般的に即戦力が求められることになり、いかに自分の持つスキルや技術をアピールできるかが重要となるでしょう。
就職後についても、日本のような終身雇用制度の概念がないため、基本的にはスキルや成果が重視される傾向にあります。
日本の就職活動
日本では新卒採用や中途採用などで一括採用が行われます。しかし、実は他国ではほとんど見られない日本の特徴です。
就職後についても、入社直後は仕事の流れがわからないことが前提とされる場合が多く、海外企業と比べて日本企業の研修制度はかなり手厚いものとなっています。
昇進制度についても海外では成果が問われるのに対し、日本では終身雇用における年功序列の考え方も強く、基本的に同じ企業で長く働くほど給与水準が上がることが多いです。
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海外就職に向いている人はどんな人?
海外の就職では日本と求められている人材が異なるうえ、文化や習慣の異なる国で生活しなければなりません。
ではどのような人が海外就職に向いているのでしょうか。
その特徴を3つ解説していきます。
1.自己アピールできる人
積極的に自分をアピールできる人は海外就職に向いています。
海外の求人では、日本人だけでなくネイティブたちとの競争となるケースも多々あります。
そのため自信を持って強くアプローチすることができなければ、採用されづらくなるでしょう。
また、就職後も自分の成果をきちんとアピールしないと、なかなか報酬や労働条件は上がっていきません。
日本では、自分の成果は上司や会社が評価してくれるものという認識が強いですが、海外では自分でアピールしないと評価されにくくなります。
外国語のスキルに限らず、普段から自信を持った態度で周りと接することができる人は、海外就職が成功しやすく海外で働き続けることができるでしょう。
2.積極的に行動・交渉ができる人
自分から積極的に行動・交渉することができる人は、海外就職に向いています。
実際に海外で就職するときも、直接現地の企業にエントリーする場合などは基本的に自分自身で交渉しながら話を進めていくことになります。
日本で働く場合は、お金や条件の交渉をすることに対してなんとなく気が引けて積極的に交渉したりはしませんよね。
しかし、海外では企業側も必要以上に人件費をかけたくないと考えているため、あまりに弱気な態度を見せてしまうと不利な条件で押し切られてしまいます。
就職後についても、日本のように長く働けば昇進できる年功序列の制度ではなく実績や成果が重きとされるため、自ら交渉して報酬を上げてもらうといった場面も出てくるでしょう。
そのため、交渉力は磨いておきたい力のひとつです。
3.慣れない環境に順応できる人
慣れない環境に順応することが得意な人も海外就職に向いています。
海外で就職をするとなると、周りの環境が大きく変わることになります。
職場の環境だけでなく、言語、風土、文化など、生活環境そのものが日本国内の生活とは全く異なるものへと変わります。
現地の就職先でも、働くうえで今までよりも視野を広げたり、日本にいた時とは異なった視点で考えなければならないような場面も出てきます。
優秀な人材だとしても、慣れない環境でストレスを感じ、100%のパフォーマンスで働けないということもあるでしょう。
そのため慣れない環境でも順応できる人は海外就職に向いています。
TAKASHI KAWAHARA
海外就職に向いていなくても経験を積めばチャンスは生まれる!
自分の意見をなかなか伝えられない人や、交渉に苦手意識を持っている人は海外での就職は難しいのが事実です。
とはいえ、それらの能力は後からいくらでも身につけることができます!
なので、まずは日本で働きながらアピール力や交渉力を身につけていきましょう。
また海外で挑戦してみたいジャンルの職種があれば、まずは安心できる日本の環境で同職種についてスキルを磨くと自信になり、海外就職にもつながりやすくなりますよ。
海外就職するメリットとデメリットは?
現地に行ってから後悔しないように、デメリットも知っておきたいな。
ここでは、海外就職のメリットとデメリットを詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
海外就職するメリット4つ
まず海外就職のメリットについて以下の4点を解説します。
- 外国語を学べる
- 異文化を体験できる
- 転職でキャリアアップしやすい
- 外貨資産を保有できる
1.外国語を学べる
海外で就職して英語を使って働くと、実践的な英語力が身につきます。
日本人は、リーディングやリスニングは得意ですが、スピーキングやライティングは苦手な人が多いです。
しかし英語で業務をこなすことで、日本人が苦手とする英語でのコミュニケーション力を向上させることができるでしょう。
また仕事を通じて英語を学ぶので、繰り返し同じ単語やフレーズを聞くことも多く、身につくスピードも早くなります。
2.異文化を体験できる
海外就職をすると、異なる文化や風習を持つ人達との交流が増えます。
様々な背景・価値観を持つ人々とコミュニケーションを取ることで、刺激的な毎日を送ることができるでしょう。
多様な文化・風習・宗教・歴史に触れることで、自身の価値観もアップデートされるかもしれません。
3.転職でキャリアアップしやすい
日本は1社に長く勤めてキャリアアップしていくことが多いですが、海外では実力主義の傾向が強いため、転職を通じてキャリアアップしていくケースが多いです。
また結果を出すことができれば、企業からインセンティブが出たり、さらにヘッドハンティングされたりすることもあるでしょう。
4.外貨資産を保有できる
外貨を稼ぐメリットは、主に急激な為替変動のリスクを回避し、資産の安定性を確保できる点です。
円安に左右されず海外でも安心して生活できるようになります。
将来的に日本円の価値が国際的に低下するようなことがあっても、外貨を所有し資産を分散させておけばリスクを軽減できるでしょう。
海外就職するデメリット4つ
次に海外就職のデメリットについて以下の4点を解説します。
- 研修制度が充実していない
- 福利厚生が少ない
- 実力主義のためリストラの可能性がある
- 就労ビザの更新に時間や手間がかかる
1.研修制度が充実していない
海外では、日本のように仕事を1から教えてくれる研修制度がほとんどありません。
理由はある程度のスキルやノウハウを持っていることを前提に採用されているからです。
そのため、教えてもらうのを待っていると周りから遅れる可能性があります。
仕事をしながら自分で学び、試行錯誤していく必要があるでしょう。
2.福利厚生が少ない
海外企業は、日本企業に比べて福利厚生が少ない傾向にあります。
例えば、交通費が出ない、退職金制度がない、保険のカバーが少ないなど、生活をしていくうえで不安になるポイントも多いです。
海外で就職する際は、ある程度の貯金や金銭管理を意識する必要があるでしょう。
3.実力主義のためリストラの可能性がある
実力主義の文化なので、仕事で結果を残せなかったり、ミスが続いたりするとリストラされる可能性があります。
日本のように安定して働き続けられる会社は少ないので、常に高い向上心を持ちながら働くことを意識しましょう。
4.就労ビザの更新に時間や手間がかかる
海外で就職する場合、海外で働くための就労ビザが必要です。
ビザが切れると海外で働くことはできません。
就労ビザの更新に毎回手間がかかるという点はデメリットですが、決して忘れてはいけないポイントです。
Career Study
海外で就職先を探す際の国選びのポイント5つ
ここでは、海外就職する国を選ぶときに押さえておきたい5つのポイントについて解説します。
1.就業ビザの取得は簡単か
まずはじめにチェックしておきたいのが、候補の国の就業ビザの取得難易度についてです。
日本企業から海外への転勤辞令が出た場合については企業が申請まで行ってくれる場合がほとんどですが、それ以外のケースは自分で申請の手続きを行わなければなりません。
就業ビザを取得するためには、現地国ごとに定められた条件をすべてクリアしている必要があります。
具体的には年齢制限や職種制限、就労経験など、国によって詳細は異なります。
基本的には就職する先が決まってから就業ビザを取得する流れになるため、内定をもらっても就業ビザが取れないとなってしまっては元も子もありません。
国選びの際は、前もって就業ビザの取得条件がどうなっているのか調べておきましょう。
2.生活環境は整っているか
治安・衛生環境・生活環境も国選びの際に押さえておきたいポイントのひとつです。
GLOBAL PEACE INDEX 2023による「世界で治安の良い国ランキング」を見ると、1位アイスランド、2位デンマーク、3位アイルランドとなっています。
続いて4位ニュージーランド、5位オーストリア、6位シンガポール、7位ポルトガル、8位スロベニア、9位日本、10位スイスとなっており、上位はヨーロッパの国が多いようです。
就職が決まった場合、働いている間は実際に現地の国で暮らさなければなりませんから、上記のようなランキングデータを活用しながらじっくり検討しておきましょう。
国によっても異なりますが世界へ踏み出すと、世界の中でも治安の良いとされる日本のように安全で、整った環境が当たり前のものではないことに気がつきます。
先進国であっても、日本ほど深夜に安心して出歩けるような国はほとんどありません。
また食べ物や水など衛生環境が整っていない国の場合、体調を整えることも難しくなります。
治安が悪かったり、衛生環境が悪かったりする国で働くことになった場合、せっかく就職できたとしても安心して普段の生活を送ることができず、ストレスを抱えてしまいます。
国選びをするときには、なるべく治安や衛生環境、生活環境の整った環境かどうかを事前にリサーチするようにすると良いでしょう。
外務省「海外安全ホームページ」では、最新の情勢を踏まえた危険度をランク付けしているので、参考にしてみてくださいね。
参考:外務省「海外安全ホームページ」
参考:Institute forEconomics& Peace「GLOBAL PEACE INDEX 2023」
3.どのような言語を使うか
海外で仕事をし、生活するためには言語は欠かせない要素です。
言語でのコミュニケーションが取れないと、円滑に仕事を進めていくことは不可能でしょう。
言語を通して仕事だけでなく文化や歴史、そこで暮らす人々についても理解を深めることができます。
「英語は堪能だから大丈夫」と思っていても、就職先の国の公用語が英語とは限りません。
国選びをする際には、自分が得意とする言語が公用語として話されている国や地域であるかを事前に確認しましょう。
4.物価水準はどうか
現地の物価水準も国選びの際に押さえておきたいポイントのひとつです。
物価が高い方が良いか、低い方が良いかは就職先や働き方によってそれぞれ異なります。
例えば、現地で直接就職する場合、現地の通貨で給与が支払われるため、物価水準が高い方が給与も上がります。
そのため、貯蓄がしやすくなるケースがあります。
ただし、就職中は現地の物価水準で暮らすことになるため、物価が高いと場合によっては生活費に圧迫されてしまう可能性もあるため注意が必要です。
実際に想定している滞在期間や、現地で必要な生活費用との兼ね合いも考えると良いでしょう。
一方で日本企業から海外支社に勤務する場合などは、給与は日本円を基準に支払われることが多くなります。
そのため、物価が低ければ低いほど生活費が抑えられてゆとりが生まれることになります。
国選びの際には、就職してからも生活がしやすくなるよう、現地の物価水準も考慮してみると良いでしょう。
5.親日国か
親日国の場合、日本人に対して好意的な態度で接してくれる場合が多いので、日常生活がしやすい傾向にあります。
親日国に関して、電通報「ジャパンブランド調査2019」によると日本への好意度が高い国は「台湾」と「タイ」が98.3%(とても好き+好きの合計スコア)で同率1位となっています。
2018年に1位だった「ベトナム」は僅差で3位、次に「マレーシア」と「フィリピン」が同率4位という結果でした。
ランキングを見るとASEANの国・地域が上位にランクインしている傾向が強いようですね。
台湾やタイなどへ旅行に赴いたことがある方は共感できると思いますが、親日国では街中に日本食のお店やチェーン店、レストランや日本語の看板・広告などもあるので、自然と親近感が湧きやすくなります。
ただ親日国であれば「絶対に大丈夫!」と思うのではなく、国選びの視点のひとつとして考えると良いでしょう。
参考:電通報 ジャパンブランド調査2019から考える、今の日本・これからの日本「日本のことが好きな国は増えている?~“日本ファン”を探る~」
海外就職におすすめの国4選!
海外就職する国選びで注目しておきたいポイントについて解説しましたが、具体的にどのような国がおすすめなのでしょうか。
ここからは、例として海外就職をおすすめできる人気の国4選を理由とともに紹介していきます。
1.アメリカ
アメリカは大都市が多く、地域ごとに特色ある産業が行われており、就職先や仕事の選択肢が多いのが特徴です。
アメリカの求人ではネイティブレベルの語学力と高い専門性が求められるため、就職の難易度は最難関といえます。
すでに専門スキルを持っている人や高い語学力のある人は、世界的な企業で働けるチャンスです。
また、多人種国家で新たな視点や価値観を得ることができるところも魅力です。
ただし就労ビザの取得が困難で、学歴や職務内容などの厳しい条件をクリアする必要があります。
2.オーストラリア
オーストラリアは観光地としてはもちろん、就職先としても日本人に人気がある国です。
国をあげて労働者の保護に力を入れているため残業や休日出勤も少なく、必要な場合はしっかりと手当てをつけることが法律で定められています。
生活物価は高いものの、給与も高く日本以上の収入が期待できるでしょう。
英語力が活かせるうえ、治安も良く、日本との時差が少ないのも魅力です。
ただし、ビザ取得のためにはビジネスレベルの英語力が求められるため、ワーキングホリデービザで就労する人が多くみられます。
3.ベトナム
ベトナムは比較的治安が良く、東南アジアのなかで日系企業数がタイの次に多く、親日国家でもあるため生活しやすい国といえます。
縫製関係や製造業の拠点として注目を集めるほか、近年はサービス業やITの分野でも求人が増えています。
給与は高くありませんが、物価も日本と比べると安いので生活しやすいでしょう。
公用語はベトナム語ですが英語や日本語を使用できるシーンも多いため、あまり語学力に自信がないという人でも挑戦できます。
欧米の企業に比べてハードルが低いため、初めての海外就職先としても人気を集めています。
参考:外務省「海外進出日系企業拠点数調査」
4.インド
経済成長が著しいインドは、世界中の企業が注目しているマーケットです。
製造業を中心に日系企業も多く進出していて、最近では流通・サービス業のバックオフィスなどの求人もみられます。
求人が多いインドでは、仕事を得やすいというメリットがあるでしょう。
また英語を準公用語としているため、英語力を高める機会にも恵まれやすいです。
Career Study
海外就職しやすい職種10選!
自分の働きたい国がいくつかイメージできたら、仕事内容や職種についても具体的に考えてみましょう。
今回は海外で就職しやすい10職種について紹介します。
語学力をあまり必要としない職種や、日本人であることが強みになり得る職種も紹介するので、海外でどんな働き方ができるかチェックしてみましょう。
1.日本語教師
日本語を習得したいという海外の人に、日本語を教えるのが日本語教師です。
日本語教師として働くために教員免許の取得は不要ですが、以下の要件のいずれかを満たしていることが必要とされています。
- 日本語教師養成講座を受講済み
- 日本語教育能力検定試験に合格
- 教育機関で日本語教育の単位を取得済み
日本語は世界でも難しい言語と言われていて、日本語ネイティブの日本語教師が求められています。
特にタイやベトナム、フィリピンなどの東南アジア圏で日本語教師の需要が増えている傾向にあるようです。
2.寿司職人
「ヘルシーで美味しい!」と外国人にも人気の高い和食は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されるなど、世界的に注目を集めています。
そんな日本食のなかで代表ともいえるのが、寿司です。
海外では寿司職人に一定の需要があるため、求人も多く仕事を得やすいでしょう。
海外では、本場の味が知りたいと「日本人が握った寿司」を求められることもあります。
寿司職人は、日本人であることをアドバンテージにできる職種のひとつです。
3.ITエンジニア
システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなど、幅広い職種をさすITエンジニアは海外で働きやすい仕事のひとつです。
海外では日本よりもITエンジニアの給与水準が高い傾向にあります。
海外就職の際、ITエンジニアに求められるのはプログラミングなどのスキルに加え、高いコミュニケーション能力やマネジメント力。
専門職として扱われるため、就労ビザの取得もしやすい傾向にありますが、経験や実績が求められるため、未経験の場合は転職は難しいでしょう。
まずは日本で経験を積んでから、チャレンジしてみてくださいね。
4.コールセンター
日本企業が海外進出した先での問い合わせ対応として、コールセンターで日本人の求人を行っている場合があります。
現地企業が日本へ進出している場合、日本人向けの対応役として日本語が武器になるケースもあります。
電話対応は基本的に日本語で行うので、高い現地語スキルがなくても働ける点がポイント。
資格や経歴も必要ないので、就職しやすい職種といえます。
5.ホテルスタッフ
日系のホテルや、日本人観光客や出張者が多いホテルなど、日本人が多く宿泊するホテルスタッフは、日本語を使って接客する機会も多く、就職しやすい職種といえます。
ホテルスタッフには、料理人やフロントスタッフ、ベルスタッフなど様々な仕事内容があり、なかには実務経験が必要な仕事もあります。
ホテルで働いたことがある人なら、経験を活かして海外就職することも可能です。
6.通訳・翻訳
話した内容を訳して伝える通訳者や、書籍や動画の内容を訳して文章にする翻訳者は、海外でも一定の需要があります。
とくに通訳はビジネス通訳や会議通訳のほか、医療通訳という分野もあり幅広く活躍できるでしょう。
しかし通訳・翻訳者は、語学が堪能というレベルでは通用しません。
外国語の微妙なニュアンスを汲み取って、それを正確に伝える高度なスキルが求められる職種です。
また、高い語学力に加え、医療や司法、放送など専門性の高い仕事もあり、専門知識も求められる職種です。
7.海外駐在員
海外駐在員とは、日本の企業に就職し、一時的に海外勤務になる会社員を指します。
日本で経験やスキルを積んだ後、海外にあるオフィスや工場などに派遣されるのが一般的です。
商社や銀行、証券会社、メーカー勤務などの人にチャンスがあるでしょう。
基本的には能力やスキルがある人が駐在員として選ばれることが多く、現地には支店や工場のトップクラス、管理職、専門職などの地位で赴任します。
海外拠点を多く持ち、駐在員の数が多い企業に就職すると海外赴任の可能性が高まります。
8.日本企業の海外支社営業
海外駐在員よりもハードルが低いのが、現地の日系企業の営業職として働く選択肢です。
日本企業が海外進出する際に、現地で100%の子会社を設立、もしくは現地企業と合弁法人を設立するケースが多くみられます。
これらの企業に就職すれば、海外で生活しながら働くことが可能です。
日本人同士でのやりとりも多いため、働きやすい環境といえます。
9.観光ガイド
日本人観光客を対象とする観光ガイドなら、主に日本語を使って働けるため、日常会話レベルの語学力でも働ける可能性があります。
観光ガイドの業務内容は、観光地の案内、出迎え、ホテルのチェックインなど様々。
ときには通訳のような立場になることもあります。
また地理や歴史、文化といった現地の基本情報をはじめ、レストランや名産品、お土産などに関する情報も必要です。
そのため、専門性が求められる職種ともいえます。
10.留学エージェント
留学エージェントは、日本の留学生をサポートする仕事です。
仕事内容は、留学して現地へ到着した日本人のサポートがメインになります。
サポートする内容は生活に関することから、進路相談、現地でのお悩み相談など多岐にわたります。
留学生をサポートする立場として、英語や現地語でのコミュニケーションが必要となるため、語学スキルが必要な職種です。
人気の留学先などの現地でも募集している場合があります。
海外就職を成功させるコツとは?5つ紹介
海外での就職を成功させるためには事前準備がとっても大切です。
ここでは、海外就職を成功させるためのコツを5つ紹介します。
- 目的を明確化する
- 現地の情報を収集する
- 自身のキャリアやスキルを確認する
- ビザ取得の要件を確認する
- 資金に余裕をもって渡航する
ひとつずつ、見ていきましょう!
1.目的を明確化する
海外での生活は、日本と大きく異なります。
渡航目的が曖昧だと就職活動のモチベーション維持は難しくなってしまいます。
「なぜ海外で働きたいのか」「なぜ海外でなければならないのか」など、理由や目的を明確にしておきましょう。
2.現地の情報を収集する
海外就職をする前に現地の情報を集めておくことは重要です。
働き方や給与体系、法律、風習、治安、生活環境は国ごとに様々。
Webサイトを活用するのはもちろん、現地で生活したことのある人や、現地で働いたことのある人に話を聞くなど情報収集をしっかり行いましょう。
3.自身のキャリアやスキルを確認する
海外就職では語学力や資格、実務経験、専門性などが重要なポイントになります。
自身のキャリアを確認し、どんな仕事ができるのか、またどんな仕事なら能力を発揮できるのかを客観的に分析してみましょう。
正しく自己分析ができれば、海外就職におけるギャップを減らせます。
4.ビザ取得の要件を確認する
海外で就職する際は、就労ビザが必須です。
就労ビザの種類や取得条件、難易度は国ごとに異なるため、希望する国の就労ビザの取得条件を確認し、自分が満たしているかを確認しましょう。
5.資金に余裕をもって渡航する
「海外で就職する」とは、「海外で生活する」ということです。
国ごとに物価は異なりますが、日本よりも物価が高いアメリカ・カナダ・オーストラリアなどの国は、生活費が想像よりも高くなります。
海外就職したばかりで仕事に余裕がないときに、金銭面の不安が重なると大きなストレスになります。
海外就職で渡航する前に、余裕をもった資金を用意しておきましょう。
Career Study
まとめ
初めての海外就職は不安が多いかと思いますが、自分に合った国や職種を選べば、問題なく就職できます。
また海外では、基本的に「即戦力」になる人材が好まれる傾向にあるので、国内でスキルやノウハウを磨いてから海外就職にチャレンジする方法も検討すると良いでしょう。
国によっても就職事情や待遇などが異なるので、どこの国を選ぶのかしっかりと検討し、目的をはっきりさせて渡航することが大切です。
高い語学力があると就職先の選択肢が広がるため、英語力もしっかりと身につけることをおすすめします。
海外への転職を希望する場合はぜひ、私たちUZUZにご相談ください。
自己分析や求人紹介など、転職に関するあらゆるサポートが可能です。
サービスへの登録や相談はすべて無料なので、まずは気軽な情報収集からでも構いません。
きっと自分に合った求人に出会えるはずです。
ぜひ登録してみてください!
TAKASHI KAWAHARA
海外就職では転職エージェントを活用しましょう!
日本には、特定の国や地域に強みをもった海外向けの転職エージェントがあります。
転職エージェントを利用すると、希望に合った求人を探しやすくなります。
また、現地のリアルな転職事情・生活事情についてキャリアアドバイザーに聞くことができるなど、様々なメリットも。
求人の紹介だけでなく、応募先との仲介もしてくれるので、特に海外就職の経験が少ない人やどういった仕事ができるか知りたい人におすすめです。